2009年8月2日日曜日

心房細動の治療 まとめ  (ACLS、治療学 WEB座談会など)090802
ACLS
   →Af
   (→AF)
   (→多源性心房頻拍AT)
    ≫(相考慮)
    ≫RateControl(ジルチアゼム、βBlocker)
__________
<適応>
★緊急除細動が必要な場合
・不安定な場合、重篤な症状がある場合
肺水腫を伴う心不全,
血行動態がきわめて不安定な状態,
急性心筋梗塞や不安定狭心症を伴う場合
★原則として除細動
2 日以内であれば原則として除細動
(頻脈による動悸などの随伴症状が強い場合にはまずレートコントロールを行い,それのあと除細動を考慮する)
(症状が強い場合は,患者の訴える発作性心房細動の発症時期はかなり正確である可能性が高く,2 日以内であれば血栓の心配は少ないという自信が持て,除細動という選択になる)
★緊急除細動をしない場合
原則として 2 日以上持続している場合
あるいは発症時期が不明な心房細動
→まずレートコントロールを
(☆発症時期が不明な患者を除いて,なるべく抗凝固療法を行い除細動をする方針です。その場合,抗凝固療法のワルファリンが効くまで時間がかかりますので,その間はやはりレートコントロールしているの じゃあ紹介しないといけない??)
<レートコントロールの目安>
レートコントロールに関してはいまのところガイドラインはなく,明確はない。
目的は,QOL の向上と頻拍誘発性心筋症の予防。 
頻拍誘発性心筋症の予防:心拍数が通常の 50%増加が 6 週間以上続いた場合起きやすい。
普通心拍数はだいたい 1 日 10 万拍 毎分 70 が目標。12 万~13 万はOK。 15 万くらいだとなり得る。
外来心拍数は目安。ホルター24H心電図で評価をする。
<薬剤>AHA(American Heart Association)のガイドライ
第 1 選択は  Ca 拮抗薬となっています。
第2 選択  βブロッカー:運動耐容能を落としてしまう。
→基礎心疾患がなければ Ca 拮抗薬を 1 番目に,
 それでコントロールができなければβブロッカーを併用します。少量ずつ使用する。 
心不全患者:いずれも使えない=ジギタリス使用。
  
(ジギタリス単独では運動時のレートコントロールはほとんどできないことが明らかになった。)
<CaBlocker 使用例>
塩酸ジルチアゼム(ヘルベッサー®)。血圧が低下します。
塩酸ベラパミル(ワソラン®)は 3 回飲まなければいけないのでヘルベッサーのがお勧め?
→特に lone Af の場合はもともと血圧の低い場合があるので,
  ワソラン+ジギタリスくらいで,1日12 万発くらいになってもそれでよしと考える
睡眠中の long RR (1~2秒)によってどんなデメリットを被るかというと,それほどないのではないかと思います。起き上がればある程度心拍数は上がりますので,そういうかたちで治療しています。
<アブレーション>
接合部アブレーション
器質的心疾患のある症例で,心不全のコントロールがなかなかつきにくく,心拍数が病態にかなり影響している症例
______________________
今回の症例では、80歳女性 ちょうど48H前ぐらいに失神したエピソードはあるがOnesetは不明。
HR110ぐらいで、BP90~100と経度低下。気分不快などの症状もなし。
心電図上 虚血性変化なし 心エコーで弁膜症MR2度ぐらい  血栓なし。
→やや血圧低下しているも、不安定というほどではない。歩行も可能なので、安定しているAfと考えた。
→治療。発症して48H以内であれば、除細動も適応範囲であるが、症状がはっきりしておらず同定不能。
→RateControlが適応。既往がいろいろあったと思う。現在心不全兆候はないが、
    ・ヘルベッサー 血圧がさらに下がる可能性があるため 不適?
・ワソラン  適応外でなければ良いかも。
・ワソランとジゴキシンの併用がよいのかも。
→循環器の先生がERでルートをとって、ジギタリスsIVを使用してくれました。それ以降の処方は来週確認します。

1 件のコメント:

yanokey さんのコメント...

抗血栓療法はリスクと年齢により選択する
 抗血栓療法の適応(図5)にあたっては、まず脳卒中や一過性脳虚血発作(TIA)など
のリスク評価を行います。次に1つ以上のリスクがある患者に対しては、ワルファリンを投
与します。しかしながらワルファリンのINRが2.3〜2.6を超えると脳出血が増加するとい
う報告もあることから、70歳を超えた患者に対しては、INR2.0程度を維持するほうがよ
いと考えています。また、INRは月に1度ぐらいの頻度で確認します。一方、リスクをもたな
い患者についてはさらに年齢によって分け、60歳未満の患者には抗血栓薬は必要なく、
60〜75歳においてはアスピリンもしくはワルファリン、75歳より高齢な患者に対してはワ
ルファリンを投与します。
 抗血栓療法の注意点として、ワルファリンは服用を中断すると血栓を生じやすいため、
患者には自己判断で中止しないよう、きちんと説明しておく必要があります。

http://www.healthcare.omron.co.jp/medical/study03/pdf/record_20070623_c.pdf