2009年8月31日月曜日

小児 心肺蘇生 PALS 

小児の場合:8歳までが小児とする。
==まず、心肺マッサージを5回サイクルおこなう==
 心マッサージの方法          AEDの使用
   乳児(1歳まで) 2本指       →AED 推奨しない
   小児(8歳まで) 片手または両手 →AED 2分間の心臓マッサージのあと小児用電極で行う
★8歳以上はすべて、大人と同様にあつかう★
 
__________________________

小児 マイコプラズマ

・マイコプラズマ マクロライド系無効ならダラシン無効のことが多い。
              TC系でミノマイ使うか?★
              2峰性か?どうか?(肺炎後のウイルス感染との鑑別) 
  1歳ごろ 気管支炎
  年長時 肺炎
  IgMは長く出るので、いつの感染か不明である。 凝集?
 クラフォラン+ジスロマック?
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1)マイコプラズマ (-) 非定形型肺炎 気管支肺炎
5歳~45歳に多い
潜伏期 2~3週間と長い(ウイルスは1~3日)
乾性ガイソウが強い☆ 感冒症状を伴うことが多い
   濃い肺胞影の症例が20% スリガラス影とは限らない
  <画像の割に、咳が強い>

2009年8月29日土曜日

小児 心筋炎

症状)有熱患者の場合、念頭において考える <先行症状> ・多くは風邪症状  悪寒 発熱 頭痛 筋肉痛 全身倦怠感 ・消化器症状  食指不振・悪心・嘔吐・下痢 <心症状> 数時間から数日の経過で出現 ①心不全兆候 ②心膜刺激による胸痛 ③心ブロックや不整脈 ☆皮疹,関節痛,筋肉痛などを発現する.無症状で経過し,突然死にて発見されることもある. 身体所見) 発熱 脈の異常(頻脈、除脈、不整) 低血圧 Ⅲ音の出現 ラ音 頚静脈怒張 心タンポナーデ ☆心音微弱,奔馬調律(Ⅲ音やⅣ音),心膜摩擦音,収縮期雑音 検査所見) WBC、CRP上昇 AST、LDH、CK-MB、心筋トロポニンTの一過性上昇 ★心筋トロポニンTの一過性上昇が特に有用 (劇症型心筋炎でのトロポニンT値は測定値が時間経過とともに持続的に上昇し、ピーク値も高い) 画像所見) 心拡大 肺うっ血 心電図) 時間の経過とともに異常所見が明瞭になるため,心電図検査を繰り返すこと ST-T 異常,心ブロックなどが頻繁にみられる. QRS 波の幅が徐々に拡大してきたら悪化徴候. 致死的不整脈が出現するので,心電図モニターが必須 ☆Ⅰ~Ⅲ度の房室ブロック,心室内伝導障害(QRS 幅の拡大),R 波減高,異常Q 波, ST-T 波の変化,低電位差,期外収縮の多発,上室頻拍,心房細動, 洞停止,心室頻拍,心室細動,心静止 心エコー) 心膜液貯留 一過性の壁肥厚と壁運動低下,心腔の狭小化. 特に小児例では,心エコーを活用する 原因検索) 血清を用いたウイルス抗体価の検索.  (2 週間以上の間隔)急性期と寛解期のペア血清,  ウイルス抗体価の4 倍以上の変動をもって陽性. PCR法によって心筋から直接検出 薬物を疑ったら被疑薬候補を順次絞り込む 薬物性リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocytestimulation test:DLST)を行う. 診断) 最終的に,急性心筋梗塞との鑑別診断が不可欠. 心内膜心筋生検による組織像4)の検出は診断を確定する. ただし,組織像が検出されなくても本症を除外できない. 治療) 炎症期が1~2 週間持続した後に回復期に入る. 心筋壊死とともに炎症による機能障害がおこり,壁運動低下や心ポンプ失調が起こる. <ポイント3つ>  第一 原因に対する介入,  第二 血行動態への介入,  第三 機能抑制への介入である(図1

整形 高尿酸結晶の食事療法

<まとめ>
プリン体高いもの
・レバー類
・白子
・カツオ、いわし、えび
・サンマ、アジなどの干物、鰹節、煮干し
プリン体の多い日常食品
・牛ヒレ 豚ロース 鶏ささみ 
・かつお クルマエビ マアジ さんま まぐろ まだこ 大豆
プリン体低いもの
・魚練製品(魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、さつま揚げ)
・ウインナソーセージ
・野菜・果物(カリフラワー ホウレンソウ エノキたけ
 とうもろこし、じゃがいも、さつまいも、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、果物)
・海藻類(ひじき、わかめ、こんぶ)
・穀物(米飯、パン、うどん、そば)
・乳製品(豆腐、牛乳、チーズ、バター)
意外といいもの
・卵類(カズノコ、スジコ、鶏卵)
ほとんど含まないもの
・プロセスチーズ 小麦 スジコ
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<参考>①日本痛風・核酸代謝学会:ガイドライン高尿酸血症のガイドライン http://www.tukaku.jp/guideline.pdf
②Asymptomatic hyperuricemia: To treat or not to treat
都立病院

痛風(高尿酸血症)とは

細胞内のDNAやRNAなどの核酸や体内のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)が分解すると「プリン体」という物質になり、これが尿酸に代謝されます。尿酸は尿中に排泄されますが、体内の尿酸が増えると血液中に蓄積されて高尿酸血症になります。 性・年齢を問わず尿酸値7.0mg/dl以上の場合は、高尿酸血症と診断されます。

高尿酸血症の状態が長く続くと、血液に溶けきらなかった尿酸は結晶になって関節に沈着し、急性関節炎を引き起こします。高尿酸血症の約10%の人に急性の関節炎発作が起きます。この状態を痛風と呼びます。尿酸値がいつも8.0mg/dlを超えているようだと、いつ痛風の発作が起こってもおかしくありません。 また、尿酸値の高い方に、肥満、高脂血症、耐糖能異常、高血圧症などがしばしば見受けられます。こうした合併症が虚血性心疾患や脳血管障害の発症率を高くしていますので、これら合併症の注意も重要です。

食事療法のポイント

1 肥満傾向の人は標準体重にしましょう  肥満症の食事のページへ

体重が増加すると尿酸値の増加がみられます。太っていて尿酸値の高い人は、過食に注意し減量を第一選択としましょう。ただしあまり急激に体重を減らすと、尿酸の産生が過剰となり尿酸値が上昇するので注意が必要です。

2 プリン体を多く含む食品の摂取は控えましょう

尿酸は体内で一日に約700mg産生されます。これに対して食事からのプリン体摂取は尿酸にして300〜400mgなので、食事でプリン体を厳しく制限するよりも体内での生成を抑えるほうが有効です。 現在では薬も開発され、以前ほど食事の「プリン体」制限が厳しく考えられなくなってきています。しかし、尿酸は水に溶けにくく排泄量が少ないことから、食事でのプリン体制限も必要となります。

食品中のプリン体は細胞中に存在しているため、ほとんどすべての食品に含まれます。特に多い食品としては、細胞数の多い魚・肉類の内臓類(あん肝、レバーなど)や、いわし・うに・かになどがあります。プリン体は水に溶けるので、肉や魚からとったスープに多く含まれます。濃厚なとりがらスープやとんこつスープなどにも注意が必要です。

プリン体の多い食品と少ない食品(mg/100g)
極めて多い (300mg〜) 鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し、鰹節、煮干し、干し椎茸
 多い (200〜300mg) 豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、さんま干物
 少ない (50〜100mg) ウナギ、ワカサギ、豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛肩バラ、牛タン、マトン、ボンレスハム、プレスハム、ベーコン、ツミレ、ほうれん草、カリフラワー
極めて少ない (〜50mg) コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、さつま揚げ、カズノコ、スジコ、ウインナソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、じゃがいも、さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、ひじき、わかめ、こんぶ

(総プリン体量:高尿酸血症・痛風のガイドライン 2002年版)

3 水分を十分にとりましょう

水分を十分とって尿量が増加すると、尿酸の排泄量が増加します。一日の尿量が2リットル以上になるよう水分を十分補給しましょう。特に就寝前の飲水は効果的です。しかし、炭酸飲料やジュースなどの糖分の多い飲み物は、エネルギー摂取が増加しますのでおすすめできません。普通の水・お茶・ウーロン茶などが適当でしょう。

4 野菜を十分にとりましょう

尿は食事のとり方により酸性・アルカリ性が多少変化します。尿酸はアルカリ性〜中性によく溶けるので、野菜、いも類、海藻類などのアルカリ性食品を十分にとり、尿をアルカリ性に保つことが必要です。新鮮な野菜の摂取は、水分補給にも役立ちます。 ただし、果糖の過剰摂取は尿酸値を上昇させますので、果物はとり過ぎないようにしましょう。

5 アルコールは控えましょう

アルコールをとりすぎると尿酸の排泄が悪くなり、尿酸値を上昇させます。またアルコール自体エネルギーが高く、食欲増進にもつながります。ビールは麦芽由来のプリン体を多く含んでいるので注意が必要です。アルコールの摂取は原則禁止です。 医師から許可のあった場合でも一日200kcal程度、ビールなら500ml(中びん1本)、日本酒なら180ml(1合)、ウイスキーなら60ml(ダブル1杯)までとして、連日の飲酒はやめましょう。

6 一日の食事は3食規則正しくとり、栄養のバランスが偏らないようにしましょう

毎食、主食・主菜・副菜を組み合わせてとり、バランスを保ちましょう。

7 食塩の多い食品は控えましょう  高血圧の食事のページへ

高血圧は、痛風に頻度の高い合併症です。味付けも、うす味にしましょう。

日常生活の注意

1 外食はエネルギーの高いものが多いので、選び方に注意しましょう

主食(ごはん・パンなどの穀類)・主菜(肉・魚・豆腐など)・副菜(野菜類)のそろった外食を選びましょう。

2 適度な運動を心がけましょう

適度な運動は、肥満、高脂血症、高血圧などの改善に効果があり、ひいては痛風治療に役立ちます。しかし、急激に激しい運動をすると、体内での尿酸の合成が促進されて一時的に尿酸値が上昇、運動の結果産生した乳酸によって排泄も抑制されて、体内の尿酸が増加します。また、大量に汗をかいて血液が濃縮されることによっても尿酸値は上昇します。適度な運動を心がけることが重要です。

3 ストレスをためないようにしましょう

痛風の発作はストレスがたまっているときに起こりやすいともいわれています。十分に休養して、ストレスを上手に解消しましょう。

2009年8月25日火曜日

小児 川崎病 免疫グロブリン療法後の予防接種のスケジュール

川崎病 免疫グロブリン療法後の予防接種のスケジュール 免疫グロブリン 移行抗体 →ワクチン   x 麻疹 風疹 流行性耳下腺炎 水痘(生ワクチンで影響されるもの)   O 経口ポリオ生ワクチン BCG(生ワクチンでも影響されない)   O 不活化ワクチン(不活化ワクチンには影響しない) ポリオ生ワクチン(生後3ヶ月から この時期には母からの移行抗体が残っているが、関係なく咽頭、腸管で感染が成立する) BCG (BCGも生直後から摂取可能。IGは細菌感染時の抗体産生を妨げない。)     ★IGを受けたもの 投与後 2ヶ月から6~9ヶ月までの間にDPT、BCG、ポリオを受ける。 麻疹抗体が消失したら麻疹ワクチンを優先させる。 (麻疹抗体の消失が一番遅いので、実質上は麻疹抗体のみの測定でよい) (採血が困難な状態では、投与総量が    1.5g未満で6~7ヶ月   2g前後  7~8ヶ月   追加投与があれば9ヶ月ごろ  摂取後の抗体獲得の確認が大切) 麻疹の次は水痘、それ以降は風疹かおたふくが望ましい。

2009年8月21日金曜日

小児 回腸末端炎の鑑別?

TERMINAL ILEITIS Making the diagnosis: pathologic diagnosis - granuloma is most specific finding (present in 50% biopsies) Rule out: infection acute bacterial infection - Campylobacter, Yersinia, Salmonella, Shigella, gonococcal proctitis, Chlamydia, ETEC, C. difficile, Aeromonas hydrophila chronic bacterial infection - Whipple's disease, TB enterocolitis case report of colonic tuberculosis mimicking Crohn's disease can be found in BMC Gastroenterology 2002 May 13;2:10 Bartonella henselae infection reported in 1 case (Lancet 2000 Oct 7;356(9237):1245), commentary can be found in Lancet 2001 Jun 16;357(9272):1974 amebiasis histoplasmosis (case presentation can be found in N Engl J Med 2005 Feb 3;352(5):489, correction can be found in N Engl J Med 2005 Apr 21;352(16):1731) immunocompromised - TB, Cryptosporidium, HSV, CMV, Isospora belli, MAI, GC, Chlamydia ulcerative colitis, collagenous colitis, microscopic colitis, irritable bowel syndrome, amebiasis, giardiasis, intestinal lymphoma, cancer of ileum or colon, carcinoid tumors, celiac sprue, mesenteric adenitis, diverticulitis, acute appendicitis, polyarteritis nodosa, radiation enteritis, fungal infections (Histoplasma, Actinomyces), alpha chain disease, endometriosis, "gay bowel syndrome", ischemic colitis, eosinophilic gastroenteritis for pneumaturia - bladder cancer, actinic lesions, trauma, xanthogranulomatous pyelonephritis 10-15% colitis of indeterminate origin (can not be distinguished from ulcerative colitis) Testing to consider: useful blood tests may include CBC, chemistries, liver function tests plain abdominal x-ray important if intestinal obstruction suspected, and may be useful to estimate extent and severity of Crohn's colitis small bowel follow-through (SBFT) better than small bowel enteroclysis (SBE) for determining extent of small bowel disease barium swallow may be useful to evaluate upper gastrointestinal tract, ultrasound or CT useful to assess for complications, especially abscesses or masses colonoscopy with biopsy (or surgical biopsy) necessary for definitive diagnosis Blood tests: blood test abnormalities may include electrolyte abnormalities, decreased magnesium, decreased calcium hypoalbuminemia iron deficiency, B12 and folate deficiency leukocytosis, anemia increased erythrocyte sedimentation rate (ESR) normal screening laboratory results may not rule out inflammatory bowel disease based on inception cohort study 526 children with newly diagnosed inflammatory bowel disease from 18 US/Canadian centers prospectively included in registry laboratory tests investigated were hemoglobin level, platelet count, albumin level and erythrocyte sedimentation rate screening tests often normal 26% had normal erythrocyte sedimentation rate, including 18% with moderate/severe disease 32% had normal hemoglobin levels 50% had normal platelet counts 60% had normal albumin levels all 4 values screened normal in 54% with mild ulcerative colitis 21% with mild Crohn's disease 4.3% with moderate/severe ulcerative colitis 3.8% with moderate/severe Crohn's disease Reference - Pediatrics 2007 Jun;119(6):1113 anti-Saccharomyces cerevisiae antibodies (ASCA) or perinuclear anti-neutrophil cytoplasmic antibodies (pANCA) can diagnose but not rule out inflammatory bowel disease (IBD) (level 1 [likely reliable] evidence) based on systematic review of diagnostic cohort studies 60 studies evaluated included 3,841 patients with ulcerative colitis, 4,019 patients with Crohn's disease, and 3,748 controls results reported here for distinguishing IBD (ulcerative colitis or Crohn's disease) from controls positive pANCA in meta-analysis of 27 studies with 6,117 patients 32.8% sensitivity 97.1% specificity positive likelihood ratio 9.842 negative likelihood ratio 0.674 positive ASCA IgA in meta-analysis of 3 studies with 1,651 patients 31.4% sensitivity 96% specificity positive likelihood ratio 6.103 negative likelihood ratio 0.717 presence of ASCA had in meta-analysis of 13 studies with 4,097 patients 39.7% sensitivity 92.5% specificity positive likelihood ratio 4.281 negative likelihood ratio 0.698 presence of pANCA or ASCA IgA or ASCA in meta-analysis of 5 studies with 839 patients 62.6% sensitivity 92.6% specificity positive likelihood ratio 8.777 negative likelihood ratio 0.393 Reference - Am J Gastroenterol 2006 Oct;101(10):2410
http://www.hosp.u-ryukyu.ac.jp/labo/method/infant/kessyoutannpaku.html

2009年8月20日木曜日

小児 発達の見方

パラsジュートができたら はいはいができる

小児 川崎病

川崎病急性期治療のガイドライン 日本小児循環器学会  より 急性期カード http://www.kawasaki-disease.org/tebiki/card.html 診断基準:労働省川崎病研究班 2002年2月改訂5版  ______________________________
<まとめ>
症状)6つ中5つ以上がそろえば診断できる
治療)免疫グロブリンの静注( IVIG )療法を、単回2g/kg/日の超大量単回投与
     最初0.01~0.02Hまで=5~10ml・H  で30分間       以降は0.03~0.06 評価)投与開始時刻からみて、24^28H以内      エキカ温で37.5度以下 が 24H以上続くこと。 予後) ①再発 ②再燃 2g・Kg・日投与をもう一日開始する。 Risk SCore) 1点CRP>12点 Na<133 AST<100 Treat0ENT<Day4 Net 80%   年齢<12  血小板<30万 __________________ +α ●季節変動:3~6月までは小さい流行がいろいろな時期に全国で起こっている        過去に見られたような異常発生はみられていない。罹患率が着実に増加している。 ●低Na血症:脱水+         血管内皮細胞増殖因子(VEGF)などの関与により血管外漏出性浮腫を来している ●CRP:46%以上が10ml・dlである。      CRPが高いほど心血管後遺症の頻度も上昇する(これは年齢に関係なくしょうじる)       基本的に、年齢が若いほど、合併症がおおい。(6M以下、6M~1Y、1~2Y、2Y以上) ●低アルブミン血症  VEGFの作用により、血管透過性の亢進によるVascularLeakageがみられ、血液中の血清アルブミン濃度が低下する。特に免疫グロブリン治療直後に高度の低アルブミン血症を示す例では、浮腫が強く、免疫グロブリン治療に抵抗を示すことが多い。 ●免疫グロブリン療法 メカニズム:免疫グロブリン療法の主体はIgG抗体。  一般的適応①無(低)免疫グロブリン血症の感染コントロール、オプソニン作用、免疫溶菌作用、毒素也ウイルスの中和作用、 ADCC活性を期待し、抗菌薬と併用して感染治療で用いられてきた。 作用機序の可能性 1)免疫グロブリンのFc部分がマクロファージやエフェクター細胞上のFc受容体と結合することでこれらの免疫担当細胞の活性が抑制される 2)免疫グロブリンが血管内皮細胞に間接的に作用する 3)免疫グロブリン製剤中の成分が川崎病特異抗原やスーパー抗原性トキシンを中和する。 ・炎症関連遺伝子を抑制、リンパ球の機能や増殖を抑制 <IVIg> 発症後7日以内に超大量単回投与 追加投与は15%に必要。(男児、再発例、早期に診断が付く例におおい→初回からステロイド療法などを行う) <ステロイド治療> ・禁忌 冠動脈病変が出現しつつある症例は対象としない     遅い病日で開始するとリスクの高い治療となるので、目安としてIVIg後であっても第10病日以降にならない ・IVIG治療の治療前評価  リスクスコア表(群馬大方式)★    Na      133以下   AST      100以上   治療開始日  4病日以前    好中球     80%以上  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2点   CRP      10以上   月齢      12か月以下   血小板     30万以下  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1点  計5点以上をハイリスク ・明らかな改善がない場合は、24~48時間ほどで追加治療を考慮すべき   36H以上待つべきでない。 ・IVIG不応例へのIVIG再投与では  有効性 70% →6%(全体の5%)は第三段階の追加治療を必要とする ________________________________  

2009年8月17日月曜日

脳出血時の降圧

・脳出血時の降圧★★
  ペルジビン Or  ヘルベッサー? ★
  違いがあるといわれていたが、今は実際どうなんだろう?
  病院毎のローカルールが支配的?★☆
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脳出血

■厚生科学研究班編/医療・GL(03年)/ガイドライン

2.高血圧性脳出血の非手術的治療
2-2.血圧の管理
【推奨】
1.脳出血急性期の血圧に関しては、収縮期血圧>180mmHg、拡張期血圧>105mmHg、または平均血圧>130mmHgのいずれかの状態が20分以上続いたら降圧を開始すべきである(グレードC1)。収縮期血圧<180mmhgかつ拡張期血圧<105mmhgでは降圧薬をすぐに始める必要はない(グレードc1)。
2.外科治療(後述)を考慮する際には、より積極的な降圧が推奨される(グレードC1)。
3.降圧薬の種類としては特に推奨できるものはないが、脳血管を拡張する可能性のある薬剤は脳圧亢進を引き起こすため慎重な投与が望まれる(グレードC1)。
【エビデンス】
脳出血急性期の降圧についてのrandomized controlled trial(RCT)はない。 後ろ向き検討法にて、降圧が良好な症例では予後が良いこと1)(IV)2)(IIa)、血腫の増大が少ないこと3,4,5)(IV)が報告されている。 また降圧は術中、術後の再出血を有意に抑制する6)(IV)。 脳卒中全般について降圧と予後についての後ろ向き検討報告をメタ分析した論文7)(Ia)があるが、相関は有意ではなかった。 降圧効果のある薬剤として、カルシウム(Ca)拮抗薬8)(Ia)、β遮断薬9)(Ib)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬8)(Ia)、硝酸薬8)(Ia)があげられる。 硝酸薬は脳圧を亢進させることが予想されるが、臨床的に予後に影響したという報告はなく10)(Ib)、脳血流に及ぼす影響はカルシウム拮抗薬と同等であった11)(IIb)。 本邦ではニカルジピン(ぺルジピン)、ニルバジピン(ニバジール)などのCa拮抗薬は「頭蓋内出血で止血が完成していない患者、脳卒中急性期で頭蓋内圧亢進」の患者には使用禁忌とされる。 またヒドララジン、トドララジン、ブドララジン、カドララジンは「頭蓋内出血急性期」の患者には禁忌であり、また、カリジノゲナーゼは「脳出血直後などの新鮮出血時」は禁忌となっている。
【引用文献】
1)Dandapani BK, Suzuki S, Kelley RE, Reyes-Iglesias Y, Duncan RC. Relation between blood pressure and outcome in intracerebral hemorrhage. Stroke 1995;26:21-24
2)Meyer JS, Bauer RB. Medical treatment of spontaneous intracranial hemorrhage by the use of hypotensive drugs. Neurology 1962;12:36-47
3)Maruishi M, Shima T, Okada Y, Nishida M, Yamane K. Involvement of fluctuating high blood pressure in the enlargement of spontaneous intracerebral hematoma. Neurol Med Chir(Tokyo)2001;41:300-305
4)数井誠司. 脳出血の増大:頻度, 時間的経過および関与する因子. 循環器病研究の進歩 1997;XVIII:77-84
5)Isozumi K, Hori S, Tanahashi N, Shinozawa Y, Fujishima S, Aikawa N. Superacute phase blood pressure elevation may relate to massive hematoma in hypertensive putaminal hemorrhage. Keio J Med 1997;46:81-84
6)本藤秀樹. 2. 脳血管障害と高血圧管理. 脳出血急性期(外科の立場から). 脳卒中 1997;19:432-436
7)Blood pressure in Acute Stroke Collaboration(BASC). Interventions for deliberately altering blood pressure in acute stroke. Cochrane Database Syst Rev 2001;4:1-15
8)The Blood pressure in Acute Stroke Collaboration(BASC). Vasoactive drugs for acute stroke. Cochrane Database Syst Rev 2001;4:1-25
9)Barer DH, Cruickshank JM, Ebrahim SB, Mitchell JRA. Low dose beta blockade in acute stroke("BEST"trial):an evaluation. Br Med J(Clin Res Ed)1988;296:737-741
10)Broderick JP, Adams HP Jr, Barsan W, Feinberg W, Feldmann E, Grotta J, et al. Guidelines for the management of spontaneous intracerebral hemorrhage:A statement for healthcare professionals from a special writing group of the Stroke Council, American Heart Association. Stroke 1999;30:905-915
11)Kuroda K, Kuwata N, Sato N, Funayama M, Yabuta A, Taguchi S, et al. Changes in cerebral blood flow accompanied with reduction of blood pressure treatment in patients with hypertensive intracerebral hemorrhages. Neurol Res 1997;19:169-173

小児の発熱の対処法について

・早期乳児は免疫システムの脆弱性から細菌感染のリスクが高い ・乳幼児の大部分はウイルス性感染症だが、約10%に細菌性髄膜炎、菌血症などの重症感染症Serious Bacterial Infectiotn(SBI)が見られる ・熱源を特定できない”Fever without source”が早期乳幼児発熱の20%を占める ・早期乳幼児は コミュニケーション未発達で症状を捉えにくいので、重症感に乏しくてもSBIを否定できない。 Mayo Clinic の Rochester Criteria 1一般状態、  病歴、 2既往歴、  (満期出生、収差期抗生剤投与歴なし、原因不明の黄疸に対する治療歴なし、現在あるいは最近の抗菌剤投与歴なし 入院歴なし 慢性疾患あるいは基礎疾患なし、母親より長期の産科入院なし) 3身体所見、  (皮膚、軟部組織、骨、関節、耳に感染なし) 4白血球数・分画、尿(必要時には便、胸部レントゲン)  末梢血白血球数 5000~15000  桿状核球数<1500  尿ちんさ白血球数<10  便とまつ白血球数 <15(下痢例のみ)
ACCORD試験 ・いまで、厳格な血糖コントロールによる細小血管症の抑制を証明された臨床試験はあった ・DMに伴う大血管症を抑制する有効な治療法は世界的にも確立していない ACCORD ADVANCE試験  どちらも 大血管床の有意な減少は見られず、ACCORDにおいてキョウカ療法群での死亡率が有意に高くなり一部の試験が中止となった。 ・J-DOIT (優位な差は今のところない?) ・試験のデザインの違い ○ACCORD インスリン頻回注射+経口薬2~3種類  Hb6.0未満でのFBS100以上   2H後血糖140のときキョウカ療法の治療変更=実際の臨床では通常行なわれることの少ないプロトコール ○ADVANCEー SU剤をベースインスリンなどの薬剤しようし、HbA1c6.5以下目標  ↓ ○ACCORD:インスリン使用77%         チアゾリジン系ロシグリタゾン(日本未承認) 91%          重症低血糖発現 16.2%         体重増加 ○ADVANCE:インスリン使用40%          チアゾリジン系ロシグリタゾン 77%           重症低血糖発現 2.7%  

2009年8月16日日曜日

整形 耳学問

・TH9骨折 スノボーでお尻から落ちた。 
  気プスベッドで 伸展位で骨が修復するのを待つ
  前面長と後面長の測定
   安定するまで背筋を沿った形で3か月。
・前距非靭帯  1W薬飲んでギプス 装具など。
 砂利道で転びやすい 軟骨が減って変形性関節症→歩けなくなる
・半月板損傷の筋トレの意義
  衝撃吸収を高めるため。
   消しゴム2個が傷ついて削れあった。
・基節骨骨折 ずれがあればOPE  
  Pinnning は保持性のみであって、装具をしているのとあまり変わらない
  変形、こうしゅく
 

調べるリスト 臓器疾患

・メイロンの適応疾患
  CPR時
  めまい
・アデホス・ADHの使用
・降圧剤
  ノルバスク
  ディオバン40
  ニューロタン25 1T
   dBP低下の原因は? 対処しなくていいのか?
・甲状腺の薬の使い方
  どれを選ぶ?
・尿酸の上昇するとき
  DMも??
・髄膜炎では ウイルス性でも初期に多核球が増加するのはなんで?⇒単核
・IL-6が上昇するのはどんなとき?
・脳梗塞の初発症状として、不穏はあるのだろうか?(松田好一Pt 84M 1月16日ADM)
・排尿困難
  ①痙性   ためられない・内圧高い ひん尿 ) 子供 脳梗塞(抑制神経が外れてしまっている) Parkinson  
→抗コリン くリード
  ②弛緩性 ただの袋状態  末しょう神経障害 DM 骨盤内OPE 
→コリン作用性
・ビタミン剤どんな効果的?★☆
  ショウガ VC 
  亜鉛 (プロマック★?どういうときに使ってる?)

調べるリスト 小児

小児のワクチン
・肺炎後は24H無熱期間後の発熱であれば、別の感染源を考えてもよい
    
・マイコプラズマ マクロライド系無効ならダラシン無効のことが多い。
              TC系でミノマイ使うか?★
              2峰性か?どうか?(肺炎後のウイルス感染との鑑別) 
  1歳ごろ 気管支炎
  年長時 肺炎
  IgMは長く出るので、いつの感染か不明である。 凝集?
 クラフォラン+ジスロマック?
・エンテロV  発熱3日間?
・EBV  初感染 無症状 
        思春期 症状でやすい 
        1歳で有症状感染どのくらいあり得るのか?
・インフルエンザ 初期はWBC 低下して リンパ優位だそうだ。★
・サイトメガロウイルス感染 検査
  IgM 
・検査 EBV
・EIAって?
・ジスロマックとアスベリン 混ぜるとまずい クラリスはコーティングが変わったが・・・
  ヨーグルトとかだめなのはpH変わるから?
・とびひ
・突発性発疹
・RSウイルス
  2-9%  肺炎 
  心不全などを増悪させる
・ライノウイルス 秋
 コロナ 
 RS 冬 小粒子
 インフル パラ
 コクサッキー・エコー夏
・子供の発熱
  原因疾患がわからないとき、心筋炎を考えどこまで心エコー適応とするか?
★☆

薬剤 備忘録プレミネント=ARB(ニューロタン)+サイアザイド 

プレミネント=ARB(ロサルタン ニューロタン®)+サイアザイド(ヒロドクロロチアジド)

2009年8月15日土曜日

(心電図 右脚ブロック 心不全治療 耳学問編 津田先生

右脚ブロック
電気的な解離
心肥大などの拡張
V1でみる=右室側だから
ベクトル 向かってくる波が遅くて大きい
肺A 
肺性心
右心不全ー利尿薬=浮腫のある人 JVD
左心不全ーACE=心機能低下 CTR 肺うっ血 After Load Reduction
_________
収縮性――拡張不全 ACE、ARBは 不向き
左   --ACE DOA DOB  =血管を開く
        βBlocker        =収縮力Up

2009年8月14日金曜日

漢方 麦門冬湯 参蘇飲

漢方 麦門冬湯
のどが乾燥したときの、咳止め
喉をうるおして直す
漢方 参蘇飲?
  PLみたいなもの 総合感冒薬
漢方 五虎湯
  ほくなりンテープ見たい.
   気管支拡張症なんです。
漢方 香蘇酸 
   どこに使ってもよい
    妊婦のかぜ、挙証、
   万年かぜの人は情服薬してよい
★ツムラ桂枝加大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ) ⇒便秘用 (TJ-134)TJ-134 実証 (硬便) 中間証 虚証 (兎糞便) 虚証 (兎糞便) ★ 高齢者、虚弱者の常習便秘 実証 (硬便) ★ ★ ★ 過敏性腸症候群に伴う 腹痛、しぶりばら 便秘 腹部膨満感・ 腹痛

小児呼吸器感染症 ガイドラインから

■小児呼吸器感染症 ●検査
・抗原検査 
  直接検出法
       酵素免疫法 EIA
       蛍光抗体法 FA 
       サザンブロット
  簡易検査法 
       酵素免疫法 EIA
・抗体検査
  抗体測定法
      補体結合法(CF)
      酵素免疫法 EIA
      蛍光抗体法 FA 
      ウエスタンブロット(WB)
●原因微生物の分布
・0~1歳
  細菌性41%
  マイコプラズマ1.8%
  トラコーマ・クラミジア 8.9%
  ウイルス性23%
・1~2歳
・2~6歳
・6歳以上
  細菌性8%
  マイコプラズマ62%
  トラコーマ・クラミジア 8.9%
   ウイルス性6%
  マイコプラズマ+ウイルス性2%
●A群溶連菌による咽頭・扁桃炎の抗菌薬療法
・1st Choice
  バイシリンG
  アモキシシリン
  セフカペン ピボキシル
  セフテラム ピボキシル
<PC系が基本的には第一選択である>
・2PCアレルギーのある場合
  エリスロマイシン 40mg/kg 分2~4 10日
  クラリスロマイシン
  アジスロマイシン 10mg・kg・日 分1 3日(除菌率が落ちるとの報告がある)
  

2009年8月13日木曜日

薬剤 アバスチン

ァバスチン 抗がん剤 VEGF阻害剤
VEGF 創傷治癒の過程のうち、ニクゲ形成が促進される増殖期に生じる血管新生に関与している。
腹腔内の炎症と、VEGF阻害に伴う創傷治癒過程が相互に影響している可能性がある。
消化管内視鏡施行後、3か月はあける。

2009年8月10日月曜日

小児 Duchenne型 筋ジストロフィー ネルソン小児科

・筋ジストロフィーの4つの必須基準
①原発性ミオパチー
②遺伝的基盤がある
③経過は進行性
④筋繊維の変性と壊死がある
代謝性ミオパチーの中には筋ジスの定義を満たすものがあるが、伝統的に別に取り扱っている。
一例:筋カルニチン欠乏症 
逆に化学的異常がきちんと定義されたら、すべての筋ジスは代謝性に分類される可能性がある
・筋ジスは互いに関連ない疾患群である ★
<Duchenne型筋ジストロフィ>
疫学
・アメリカで男児3600人に一人
もっとも頻度の高い遺伝性神経筋疾患
・ひ腹筋の仮性肥大、進行性の筋力低下、知能障害、筋繊維における結合織増加★
成長は最初1年は正常 2年まで同じように扱われている
・首のすわりが遅い、
2年目 起立時腰椎前傾姿勢。
GOWERS兆候は3歳から始まり、5,6歳まで。
・一二歳までは歩くことができる
関節拘縮はメリットもあるのであえてはopeしないこともある。
身体所見)
ひ腹筋、舌の仮性肥大、(線維の肥大、脂肪沈着、コラーゲンの増殖) 大腿筋の委縮  
膝蓋腱反射は低下する
IQ70未満は20~30%に過ぎないが、すべての患児に知能障害を生じる
学習障害を大半に認めるが、補習で普通学級でやっていくことも可能である。
知能障害の強い患児も少数存在するが、筋症状とは関係ない。
てんかんの頻度は、一般小児に比べやや高い。
通常、18歳ほどで死亡する。呼吸不全、心不全、肺炎、誤嚥、気道閉そく。
診断)ジストロフィン欠乏・欠損を示す
血液PCRで診断できれば、筋生検は保留してもよい。
家族内で初めての発症の場合は、筋生検を考慮する。
遺伝)
患児の30%が新たな突然変異によるもの
女性保因者は全く症状がないか、ごく軽度。Turner症候群女性でXp21遺伝子欠損が生じた場合は発症する。
無症候性保因者の80%でCK上昇がある。(数百から数千 8~12歳でピーク)
妊娠W11でも検出→W12週で出生前診断が可能
二次性に減少するジストログリカンも正常な脳の発達に必要。
治療)
ちりょうほうもなければ、進行を遅らせる方法もない。
心不全に対しては早期はジゴキシンが有効。
車いすせいかつのため、骨訴訟をさけるため、カルシウム摂取が必要。フッ素添加も。
うつ状態もあり、食べ過ぎて、太りがち。
理学療法はほとんど役立たない。(日常生活に筋力すべてをつかっていて、運動により筋力を強化することはできない)

2009年8月4日火曜日

糖尿病と高尿酸血症 Up

Causes of secondary hyperuricemia due to decreased renal clearance
Clinical disorders
Chronic renal insufficiency of any form
Lead nephropathy (saturnine gout)
Effective volume depletion (eg, fluid losses, heart failure)
Diabetic or starvation ketoacidosis
Lactic acidosis
Preeclampsia
Obesity
Hyperparathyroidism
Hypothyroidism
Sarcoidosis
Chronic beryllium disease
Familial juvenile hyperuricemic nephropathy (FJHN)
Medullary cystic kidney disease (MCKD)
Glomerulocystic kidney disease
Drug- or diet-induced
Diuretics (thiazides and loop diuretics)
Cyclosporine and tacrolimus
Low dose salicylates
Ethambutol
Pyrazinamide
Ethanol
Levodopa
Methoxyflurane
Laxative abuse (alkalosis)
Salt restriction

________________________________

糖尿病と血清尿酸


 検診などで「尿酸値が少し高いですよ」などといわれた方も多いのではないでしょうか。

尿酸とは痛風の元になる物質です。肥満があると、血液中の尿酸値が高めになることは古 くから知られていました。

また、糖尿病の教科書には「糖尿病では初期に尿酸値が高く、ある程度血糖値が高くなってくると、 尿酸値は下がり、さらに腎障害の合併が加わるとまた尿酸値が上がってくる」という記載があります。

これは、糖尿病を発症する人は肥満の人が多いため、尿酸値が高く、 尿糖がどんどん出てくる状態では尿酸が尿中に排泄され血液中の尿酸値が下がる、 そして腎臓の合併症が出てくると尿酸の排泄障害が加わり再度血液中の尿酸値が上昇してくる、 ということを表しているものであると理解されていました。

 しかし、現在では尿酸糖尿病はもっと複雑な関係があることがわかっています。さら に、高尿酸血症と心・脳血管障害、動脈硬化、インスリン抵抗性などとの関係についても 研究が進んできています。

尿酸血症が直接的な血管障害(動脈硬化)の危険因子であることを示唆する研究も出てきています。 動脈硬化を促進するであろうと考えられる因子は単独で存在することは少なく、 たいていは複数の因子がまとめて存在します。 従って、どの因子がどのように悪さをするのかを特定するのは大変難しいことです。

 以前は、インスリン抵抗性、耐糖能異常、高インスリン血症、高VLDL-TG血症、低HDL 血症、高血圧など、動脈硬化を促進する因子は集積しやすく、これを「シンドロームX(X 症候群)」と呼んでいました。最近ではこれに、高尿酸血症や、その他の因子を加えて「シ ンドロームXプラス」などと呼ぶことがあります。

 いろいろ難しい理屈はあるのですが、高尿酸血症がある場合は、それだけではなく他に もいろいろな問題を有していることがあるので注意を要します。


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右室梗塞時の注意点 右心電図をとる ニトロは禁止

3)右室梗塞の患者 〔血圧低下によりショックを起こすことがある。〕右室梗塞は右心不全の症状を示すが、左房圧、肺動脈楔入圧の上昇はあまり認められず肺うっ血像を示さないため、本剤投与により心拍出量が低下し、心原性ショックを引き起こす可能性がある。

右室梗塞(right ventricular infarction)について】 冠動脈の閉塞により、左室ではなく、右室側の心筋が壊死すること。 下壁閉塞のある症例のうち、約1/3に合併すると言われている。 <症状> 頸静脈怒張,Kussmaul徴候,四肢冷感,血圧低下などの右心不全所見。 *kussmaul徴候というのは怒張した頸静脈が深吸気により更に増強することで、正常例では吸気時に胸腔内圧が低下するために静脈圧が低下するが,右室梗塞例では右室拡張不全による右室流入障害のために静脈圧が上昇してしまうため、出現する。 胸部X線写真:肺鬱血はないか,あっても軽いことが特徴。 <診断> 心エコーにて右室の壁運動低下、または右室拡大がみられる ・右側胸部誘導心電図にてV3r,V4rで1mm以上のST上昇、または異常Q波を認める ・RAP≧10mmHg ・RAP≧PCWP

<合併症> 房室ブロック (右冠状動脈閉塞による房室結節への血流不全) 右室だけの梗塞があっても、心機能への影響は少ない。(およそ5%くらいの低下) しかし、術後管理する上で、 「どうもCVPが高めじゃないと(ボリュームがないと)血圧が維持できないなあ」 なんて時は右室梗塞を疑う。 <禁忌> 右室梗塞時はそれ自体の収縮力が低下しているので、ある程度「張った状態」(=前負荷が高い状態)でなければ心拍出量を維持できない。そのため、「ニトロール」「ミリスロール(ミオコール)」(=主に静脈を拡張することで『前負荷』を減少させ、血圧低下させる)、また利尿剤などの使用は前負荷を軽減させ、心拍出量の低下につながり、ショック状態を引き起こすことにつながる可能性があるため、禁忌となっている。

Turner症候群 ホルモン治療で改善する

Turner症候群について 染色体異常:XO 身体的特徴: ・身長が低い ・2次性徴がない ・外反肘(上肢を体幹に付けると、肘から遠位が外転位になる) ・翼状頚(首の周りに皮膚のたるみがある) ・背中側の髪の生え際が低い   治療 ・成長ホルモン  ターナー女性の平均身長は約138cmで、治療を受けた人の平均身長は約145cm ・女性ホルモン  12-14歳頃から内服薬を開始します。  通常の錠剤の1/10錠の少量から始め、段階的に増量します。  増量していくにつれ、胸も膨らみ月経も始まります。  月経がみられたら、もう1種類の薬をくわえ2種類に  一般の女性と同じ性周期にもっていく ____________________________ http://www.health.ne.jp/library/5000/w5000536.html ターナー症候群ってどんな体質?どのような症状があるの? このページでは、「ターナー症候群」について、専門医師の監修(かんしゅう)のもと詳しくお伝えしています。 お子さんがターナー症候群と診断されて不安になっていらっしゃる親御(おやご)さんや、自分の体質について詳しくしりたいというご本人が、症状(しょうじょう)について正しい知識(ちしき) を持っていただければと願っております。 ターナー症候群とは? 「症候群」という言葉は同じ原因により、同時に発生する特徴や症状を総称したものです。ヘンリー・ターナー博士は、身長が低い、性的発達がない、外反肘(腕が肘のところでわずかに外側に向いている)、翼状頚(首の周りに皮膚のたるみがある)、背中側の髪の生え際が低い女子の特徴をひとつの症候群として捉えました。彼は1938年にこのような特徴をもつ7人の女子について論文を発表しました。このような症状の原因については不明でしたが、これらの女子に似通った点があることに気づき、他の医師に注意するように呼びかけました。そして、このような特徴はターナー症候群として知られるようになりました。 それから21年後、フォード博士はターナー症候群の原因が性染色体の欠失であることを突き止めました。殆どのターナー女性は一方のX染色体がすべてまたは部分的に欠けていることを発見し、この染色体の欠失がターナー女性にみられる身体的特徴の原因ではないかと考えました。 ターナー症候群は遺伝子に問題があるものの中では比較的よくみられるものの一つで、1,000~2,000人(女子)にひとりの割合です。幸い、ほとんどのターナー女性は健康で幸福な人生を送ることが期待できます。 この欠失は、精子と卵子が受精する時に、あるいは受精卵が分裂する初期の段階でおこる突然変異によるもので、兄弟姉妹には影響しません。例外的にはお母さんがターナー症候群で自然に妊娠し、出産された場合は兄弟姉妹でもあり得ます。ターナー症候群の胎児は約95%が自然流産してしまいます。生まれてきたターナー女性は選ばれた人たちです。誇りを持って育ててください。またご本人も自信をもって生きてください。※日本イーライリリー出版、「ターナー症候群 ご家族へのガイド」より一部引用させていただきました。 ターナー症候群について ターナー症候群にはいくつかの共通する身体的症状があります。低身長、二次性徴が自然におきないことなどです。しかしこれらは医学的ケアによって対処することができます。また、ほかにも気をつけておきたいことがありますので、以下に簡単に述べます。 成長ホルモン 低身長については、成長ホルモン治療が有効なことが知られています。わが国で治療を受けていなかったターナー女性の平均身長は約138cmで、現在、治療を受けた人の平均身長は約145cmです。150cmを超える人もでてきました。自宅で皮下注射を行ないますが、針は細くて短いため痛みは殆どありません。安全な薬で副作用も殆どありません。大腿骨の骨頭がずれる大腿骨頭すべり症があるといわれていますが、たいへん稀なことです。 女性ホルモン ターナー女性では20%には自然に思春期が発来しますが、80%の人では、思春期の発来がみられず、女性ホルモン治療が必要です。12-14歳頃から内服薬を開始します。通常の錠剤の1/10錠の少量から始め、段階的に増量します。増量していくにつれ、胸も膨らみ月経も始まります。月経がみられたら、もう1種類の薬をくわえ2種類の薬により、一般の女性と同じ性周期になるようにします。 合併症について もっとも多い合併症は耳鼻科疾患です。中耳炎になりやすく、根気強く耳鼻科的治療を行なうことが必要です。難聴を伴うこともありますので、注意が必要です。 約20%の人に先天性循環器疾患を伴います。診断がついたとき、心臓の超音波検査で先天性心疾患がないかどうかみてもらう必要があります。もしなければ、次いで16-18歳頃、超音波、またはMRIを検査して、大動脈の起始部の拡張がないかどうか調べます。大動脈瘤の解離により命に関わることがあり、数年に一度フォローすることが大切です。 成人では、肥満、糖尿病、甲状腺疾患、骨粗しょう症についての注意も必要です。 知的面について 一般的にはターナー女性は知的には正常です。学歴は一般の女性よりも高いというデーターもあります。しかし、算数が苦手、とくに図形の問題が苦手、体育が苦手ということはよく聞きます。まじめな性格の人が多く、ゆっくり時間をかければ、理解できるようになります。一部の人では知的障害を伴うこともあります。

低身長の精査方法 GHとIGF-I

<成長障害の分類> 環境因子> ・栄養摂取不足 ・吸収障害 ・DM ・VItD抵抗性くる病 ・中枢神経性 ・慢性腎疾患 ホルモン異常> ・GH欠乏 ・甲状腺H欠乏 ・グルココルチコイド過剰★ ・体質性成長遅延 ・愛情遮断症候群 ・GH抵抗性症候群 <フローチャート> 骨年齢 遅延=GH分泌能 正常→思春期遅発症                                   低下→下垂体性低身長、甲状腺機能低下 一般検査→内科臓器疾患 遺伝歴→胎生・出生異常→染色体検査→正常=先天性奇形症候群                        胎内感染                   異常→染色体異常 ________________ GH:日内変動する IGF-I(ソマトメジン): 血中濃度はGHの総分泌量を反映。              GHと異なり日内変動はないので、  年齢、性別によって基準値から、成長障害のスクリーニングが可能 __________ ●身長体重から、身長SDスコアを算出→ー2SDよりも低いと成長障害と判定 ●病歴:骨盤位分娩、仮死などの周産期異常      二次性徴      dysmorphic Features(Turner:外反肘、翼状頸、襟足の低下)                    (GHD:顔貌の幼稚さ 軽度肥満) ●一般採血、尿検査=臓器異常 ●内分泌  IGFーⅠ、IGFBP-3、甲状腺ホルモン(fT4、TSH)、  尿中GH低   http://74.125.153.132/search?q=cache:XiMBzjIlKcAJ:www.acromegaly.jp/inspect/igf.html+IGF-I+%E5%9F%BA%E6%BA%96%E5%80%A4+GH&cd=1&hl=ja&ct=clnk IGF-Iは,GHの作用により肝臓で産生されるホルモンで,その血中濃度はGHの総分泌量を反映します。GHと異なり日内変動はありませんが,年齢や性別によって変動がみられ,一般的には小児期では低値を示し,徐々に増加して思春期に最大となり,以降,加齢とともに減少していきます。したがって,血中IGF-I値を評価する際には,健常人の年齢,性別基準値と照らし合わせて評価する必要があります。 血中IGF-Iの基準値[第一ラジオアイソトープ研究所のIGF-I(ソマトメジンC)IRMA「第一」キットを用いた測定値] 年齢(歳) IGF-I 値(ng/mL) 男 性 女 性 平均 -1.96 SD~+1.96 SD 平均 -1.96 SD~+1.96 SD 0 69 18~150 69 12~174 1~2 68 11~172 113 37~229 3~4 86 29~173 114 35~238 5~6 124 64~203 141 74~230 7~8 168 50~356 235 95~437 9~10 217 87~405 231 60~514 11~12 291 115~545 428 206~731 13~14 391 178~685 462 216~798 15~16 410 287~555 376 262~510 17~19 347 219~509 391 264~542 20~29 202 85~369 234 119~389 30~39 169 67~318 171 73~311 40~49 131 41~272 139 46~282 50~59 125 59~215 126 37~266 60~69 124 42~250 84 37~150 70 以上 137 75~218 106 38~207 福田いずみ, 肥塚直美. 2. GH 分泌不全性低身長症(D. 検査各論). 最新内分泌検査マニュアル(高野加寿恵 監修), 日本医事新報社, 東京, 2002, p.28. 血中 IGF-I 測定時の留意点 ・ IGF-I は肝臓で産生され,その血中濃度は GH の総分泌量を反映します ・ 血中 IGF-I 値は年齢や性別によって変動します ・ 血中 IGF-I 値の評価にあたっては,健常人の年齢,性別基準値と照らし合わせる必要があります

2009年8月3日月曜日

 Levine分類

 Levine分類 
Ⅲ普通 Ⅱよわい Ⅰすごく弱い
      Ⅳつよい Ⅴすごく強い
Ⅵ聴診器なしでも聞こえる _____________________ Ⅰ.微弱な雑音で、注意深い聴音でのみ聴取できるもの。聴音持続の確認が必要である。 Ⅱ.聴診器を当てた途端に聴くことが出来るが、弱い雑音 Ⅲ.中等度の雑音で、明瞭に聴取できる。 Ⅳ.III度とは異なり、耳に近く聞こえる強い雑音。 Ⅴ.聴診器を胸壁から離すと聞こえないが、聴診器で聴く最も強い雑音。 Ⅵ.遠隔雑音で、聴診器無しでも聴くことが出来る。

2009年8月2日日曜日

心房細動の治療 まとめ  (ACLS、治療学 WEB座談会など)090802
ACLS
   →Af
   (→AF)
   (→多源性心房頻拍AT)
    ≫(相考慮)
    ≫RateControl(ジルチアゼム、βBlocker)
__________
<適応>
★緊急除細動が必要な場合
・不安定な場合、重篤な症状がある場合
肺水腫を伴う心不全,
血行動態がきわめて不安定な状態,
急性心筋梗塞や不安定狭心症を伴う場合
★原則として除細動
2 日以内であれば原則として除細動
(頻脈による動悸などの随伴症状が強い場合にはまずレートコントロールを行い,それのあと除細動を考慮する)
(症状が強い場合は,患者の訴える発作性心房細動の発症時期はかなり正確である可能性が高く,2 日以内であれば血栓の心配は少ないという自信が持て,除細動という選択になる)
★緊急除細動をしない場合
原則として 2 日以上持続している場合
あるいは発症時期が不明な心房細動
→まずレートコントロールを
(☆発症時期が不明な患者を除いて,なるべく抗凝固療法を行い除細動をする方針です。その場合,抗凝固療法のワルファリンが効くまで時間がかかりますので,その間はやはりレートコントロールしているの じゃあ紹介しないといけない??)
<レートコントロールの目安>
レートコントロールに関してはいまのところガイドラインはなく,明確はない。
目的は,QOL の向上と頻拍誘発性心筋症の予防。 
頻拍誘発性心筋症の予防:心拍数が通常の 50%増加が 6 週間以上続いた場合起きやすい。
普通心拍数はだいたい 1 日 10 万拍 毎分 70 が目標。12 万~13 万はOK。 15 万くらいだとなり得る。
外来心拍数は目安。ホルター24H心電図で評価をする。
<薬剤>AHA(American Heart Association)のガイドライ
第 1 選択は  Ca 拮抗薬となっています。
第2 選択  βブロッカー:運動耐容能を落としてしまう。
→基礎心疾患がなければ Ca 拮抗薬を 1 番目に,
 それでコントロールができなければβブロッカーを併用します。少量ずつ使用する。 
心不全患者:いずれも使えない=ジギタリス使用。
  
(ジギタリス単独では運動時のレートコントロールはほとんどできないことが明らかになった。)
<CaBlocker 使用例>
塩酸ジルチアゼム(ヘルベッサー®)。血圧が低下します。
塩酸ベラパミル(ワソラン®)は 3 回飲まなければいけないのでヘルベッサーのがお勧め?
→特に lone Af の場合はもともと血圧の低い場合があるので,
  ワソラン+ジギタリスくらいで,1日12 万発くらいになってもそれでよしと考える
睡眠中の long RR (1~2秒)によってどんなデメリットを被るかというと,それほどないのではないかと思います。起き上がればある程度心拍数は上がりますので,そういうかたちで治療しています。
<アブレーション>
接合部アブレーション
器質的心疾患のある症例で,心不全のコントロールがなかなかつきにくく,心拍数が病態にかなり影響している症例
______________________
今回の症例では、80歳女性 ちょうど48H前ぐらいに失神したエピソードはあるがOnesetは不明。
HR110ぐらいで、BP90~100と経度低下。気分不快などの症状もなし。
心電図上 虚血性変化なし 心エコーで弁膜症MR2度ぐらい  血栓なし。
→やや血圧低下しているも、不安定というほどではない。歩行も可能なので、安定しているAfと考えた。
→治療。発症して48H以内であれば、除細動も適応範囲であるが、症状がはっきりしておらず同定不能。
→RateControlが適応。既往がいろいろあったと思う。現在心不全兆候はないが、
    ・ヘルベッサー 血圧がさらに下がる可能性があるため 不適?
・ワソラン  適応外でなければ良いかも。
・ワソランとジゴキシンの併用がよいのかも。
→循環器の先生がERでルートをとって、ジギタリスsIVを使用してくれました。それ以降の処方は来週確認します。