2009年8月29日土曜日
小児 心筋炎
症状)有熱患者の場合、念頭において考える
<先行症状>
・多くは風邪症状
悪寒 発熱 頭痛 筋肉痛 全身倦怠感
・消化器症状
食指不振・悪心・嘔吐・下痢
<心症状> 数時間から数日の経過で出現
①心不全兆候
②心膜刺激による胸痛
③心ブロックや不整脈
☆皮疹,関節痛,筋肉痛などを発現する.無症状で経過し,突然死にて発見されることもある.
身体所見)
発熱
脈の異常(頻脈、除脈、不整)
低血圧
Ⅲ音の出現
ラ音
頚静脈怒張
心タンポナーデ
☆心音微弱,奔馬調律(Ⅲ音やⅣ音),心膜摩擦音,収縮期雑音
検査所見)
WBC、CRP上昇
AST、LDH、CK-MB、心筋トロポニンTの一過性上昇
★心筋トロポニンTの一過性上昇が特に有用
(劇症型心筋炎でのトロポニンT値は測定値が時間経過とともに持続的に上昇し、ピーク値も高い)
画像所見)
心拡大 肺うっ血
心電図)
時間の経過とともに異常所見が明瞭になるため,心電図検査を繰り返すこと
ST-T 異常,心ブロックなどが頻繁にみられる.
QRS 波の幅が徐々に拡大してきたら悪化徴候.
致死的不整脈が出現するので,心電図モニターが必須
☆Ⅰ~Ⅲ度の房室ブロック,心室内伝導障害(QRS 幅の拡大),R 波減高,異常Q 波,
ST-T 波の変化,低電位差,期外収縮の多発,上室頻拍,心房細動,
洞停止,心室頻拍,心室細動,心静止
心エコー)
心膜液貯留
一過性の壁肥厚と壁運動低下,心腔の狭小化.
特に小児例では,心エコーを活用する
原因検索)
血清を用いたウイルス抗体価の検索.
(2 週間以上の間隔)急性期と寛解期のペア血清,
ウイルス抗体価の4 倍以上の変動をもって陽性.
PCR法によって心筋から直接検出
薬物を疑ったら被疑薬候補を順次絞り込む
薬物性リンパ球刺激試験(drug-induced lymphocytestimulation test:DLST)を行う.
診断)
最終的に,急性心筋梗塞との鑑別診断が不可欠.
心内膜心筋生検による組織像4)の検出は診断を確定する.
ただし,組織像が検出されなくても本症を除外できない.
治療)
炎症期が1~2 週間持続した後に回復期に入る.
心筋壊死とともに炎症による機能障害がおこり,壁運動低下や心ポンプ失調が起こる.
<ポイント3つ>
第一 原因に対する介入,
第二 血行動態への介入,
第三 機能抑制への介入である(図1
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http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2004_izumi_d.pdf
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