2009年12月4日金曜日


早朝高血圧とは

血圧が正常な方でも、朝、目覚める前から血圧は上がってきます。この目覚めのときの血圧の上昇が急に起こり、高血圧の状態になってしまう現象を「早朝高血圧」といいます。
降圧薬などで高血圧の治療に取り組み、日中の血圧はコントロールできている方の中にも、早朝高血圧が起こっている場合があります。家庭で、朝起きてすぐに測った血圧が、収縮期血圧135mmHg/拡張期血圧85mmHg以上の場合は、早朝高血圧の疑いがあります。

早朝高血圧の危険性

高血圧が原因のひとつとなって起こると考えられている脳卒中や心筋梗塞の発作は、朝方から午前中にかけて多く発生することが分かっています。これは、早朝高血圧が起こっている時間帯と同じ時間帯です。したがって、午前中の脳卒中や心筋梗塞の発作と、早朝高血圧には関係があると考えられており、その危険性が注目されています。

早朝高血圧の治療

早朝高血圧には、レニンアンジオテンシン系(RA系)という体内の酵素・ホルモン系や交感神経系が深く関係しているといわれています。したがって、早朝高血圧が見つかった患者さんには、RA系に働く薬(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬〔ARB〕、アンジオテンシン変換酵素阻害薬〔ACE阻害薬〕)や交感神経系に働く薬(α遮断薬)を使うことが勧められます。また、24時間にわたって血圧をコントロールするために、作用時間の長い降圧薬を使ったり、朝夕の2回に分けて降圧薬を飲んだりする方法も勧められています。

0 件のコメント: