2009年7月5日日曜日

スズメ蜂刺傷

<List> 1 )スズメ蜂刺傷マニュアルhttp://www.kch.kagoshima.kagoshima.jp/pubjp/gijyutu/kango/qq/manu2.htm 2)スズメバチ 生態 http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/ 3)森林総合研究所 http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanko/chuki-seika/2005/chukiseika2005-5.pdf ___________________________ <1> #針除去時の注意点 ■治療と看護のポイント ■治療のフローチャート ■アナフィラキシーショック (1)準備するもの (2)病態と治療・看護 ■針除去時の注意 ■蜂刺傷特殊な病態 ■問い合わせに対して ■退院時指導 ■蜂毒成分 ■ 治療・看護のポイント 1.問題となる全身症状の病態はアナフィラキシーショックです。 冷静、かつ速やかな対処が必要です。2.患者さんは全身の違和感と死の恐怖でいっぱいです。 安心感を与える言葉かけを忘れないようにしましょう。2.ハチの針がまだ刺さっていたら、針除去時の注意を参照。 TOP ■ 鉢刺傷 治療のフローチャート 全身性の皮疹(紅斑・蕁麻疹・血管性浮腫) つまり、アレルギー反応があるかないか!!を見極めるべし。 / \     あり なし 局所の腫脹 呼吸困難・血圧低下 / \  / \     なし あり なし あり ・ステロイド剤軟膏 ・ステロイド投与・抗ヒスタミン剤 ・ステロイド投与・抗ヒスタミン剤・肝庇護剤 アナフィラキシーショック・準備するもの病態と治療・看護 TOP ■ アナフィラキシーショックに対し備えておくもの 気道確保 挿管セット・酸素吸入・吸引セット 血管確保 ヴィーンFなどの 各種薬剤 ・エピネフィリン・昇圧剤・気管支拡張剤・ステロイド ECG 各種モニタリング TOP ■ 病態とと治療・看護 病 態 と 観察項目 看    護 治    療 【初期症状】・全身の違和感と死への恐怖 安心感を与える言葉かけ 【呼吸器系症状】・咽頭、口蓋垂の浮腫のため嗄声と発声障害・粘膜分泌亢進・気管収縮 ∇喘息様症状気道浮腫、分泌物貯留による窒息 気道確保分泌物吸引 挿管・ステロイド投与硫酸アトロピン気管支拡張剤 【心血管系症状】・末梢血管拡張により、血液が末梢へ移動する。・血管壁透過性亢進により血漿成分が血管外へ漏出する。 ∇             ・血液の濃縮            ・循環血液量の減少 ∇             ・血圧低下            ・意識障害            ・冠動脈血流低下⇒不整脈                        ST低下 ショック体位ECG エピネフィリン投与血管確保輸液(20ml/Kg/h)抗不整脈剤冠拡張剤 【中枢神経系症状】・瞳孔縮小・除脈・昏睡・呼吸停止 【消化管系症状】・腸管粘膜浮腫と分泌亢進・腸蠕動亢進 ∇・吐気、嘔吐・腹痛・下痢、失禁 誤嚥防止 【皮膚症状】・血管拡張、透過性亢進 ∇・蕁麻疹、紅斑∇・掻痒感※疼痛によるショック死の例もあり 針の除去洗浄、消毒刺傷部周辺の冷却 抗ヒスタミン剤の塗布 TOP ■ 針除去時の注意点 1.できるだけ。触らずに爪で弾き飛ばしましょう。2.それでも、抜けない場合は、爪やピンセットで毒嚢をつぶさないように丁寧に抜きましょう。  慌てると、針先が残ることも在ります。3.場合によっては局所麻酔下で、周囲の皮膚を含めて切除します。4.二次感染から膿瘍を形成した場合には、切開排膿し抗生剤を投与します。 TOP ■ 蜂刺傷特殊な病態 病 態 と 観察項目 看    護 治    療 【蜂毒そのものによる症状】・横紋筋ミトコンドリアの破壊⇒横紋筋融解CPK・GOT・GPT・LDHなどの逸脱酵素の上昇 ∇MOF・尿細管壊死 ∇無尿、急性腎不全・血管脳関門の破壊 ∇脳圧亢進症状 ヘモグロビン尿の観察データチェック尿量、水分出納バランス 血漿交換フロセミド投与(尿量50ml/hは確保する)脳圧下降剤 【眼球刺傷】・早く処置をする・虹彩炎 ・ステロイド眼注・アトロピン点眼 TOP ■ 電話で問い合わせがあったら 一番大切なことは、「最も近い医療機関へ行きなさい。」とアドバイスすることです。アナフィラキシーショックは30分でおきます。ショックになる前に医療機関に収容できるかどうかが、大切なのです。 TOP ■ 退院時の指導 蜂に刺されてショックを起こすと、次に指されたら、もっと重症化する危険性が高いのです。次の2項目を充分説明してから、退院していただきましょう。【 蜂に刺されないために 】・蜂の巣に近づかない ・家屋内に営巣させないよう穴をふさぐ肌に密着する衣服を用い,服のしたに蜂が入らないようにする. ・白っぽい服を着る(花模様の服や黒い服をさける) ・芳香のある化粧品は避ける ・戸外で甘味物の飲食をしない ・自動車の窓を開け放しにしない ・蜂のいるところで立ち止まらない. ・洗濯物を取り入れるときは蜂をまぎれ込ませないよう注意する ・不用意に藪の中に入らない見張りの蜂をみかけたら,その巣が近いので注意する 【蜂に刺されたら】最も近い医療機関へ行く!! TOP ■ 資料:蜂毒の成分 ハチ毒の成分は、活性アミン、ポリメプタイド、酵素の3つ。 1)活性アミン   スズメバチ :ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリン   アシナガバチ:ヒスタミン、セロトニン、ドバミン、ノルエピネフリン   ミツバチ  :ヒスタミン、ドバミン、ノルエピネフリン   *これらは、局所の疼痛、腫脹の原因 2)ポリメプタイド   スズメバチ :スズメバチキニン   アシナガバチ:アシナガバチキニン   ミツバチ  :メチレン、アバミン、MCD、ミニマイン   *メチレン、アバミンは、細胞膜に直接作用し、細胞内顆粒を放出    キニンは、一部、ブラジキニンと同じ配列をもつ 3)酵素   スズメバチ :ホスホリパーゼA,ホスホリパーゼB   アシナガバチ:ホスホリパーゼA,ホスホリパーゼB,ヒアルロニダーゼ   ミツバチ  :ホスホリパーゼA,ホスホリパーゼB,ヒアルロニダーゼ   *これらは、溶血作用、局所破壊作用をもつ 日本救急医学会認定医認定委員会編集『救急認定医のための診療指針』 _________________________________________ 2) スズメバチやアシナガバチ,ミツバチなどの集団生活をするハチは,外敵から巣を防衛する手段として攻撃性が発達しています.そのため,直接,間接を問わず巣に刺激を加えると毒針を武器にして攻撃してきます. スズメバチに刺されないための対処法は,(1) 巣の所在が明らかな場合,(2)巣が近くにありそうな場合,(3) 巣はないがハチが飛んでいる場合のそれぞれで異なります. ● 巣の所在が分かっている場合の対応 ●  とにかく巣に近づかないことです.巣との間に十分な距離が保てれば共存も可能です.ただし,キイロスズメバチとオオスズメバチは,9月~10月にかけて,巣の近くを集団で通行したりすると,攻撃してくることがあるので注意が必要です. ●  巣に直接触れたり,棒や石などで刺激を加えることはもちろん,枝を揺らしたり,近くで作業をしてハチを刺激しないようにします.一般におとなしいとされている種でも,巣に刺激を与えると激しく攻撃してきます. ● 巣を見つけたら早めに取り除くことが大切です.春先の女王バチによる単独営巣期には,危険性がほとんどないので駆除も容易です. ● 巣の所在はわからないが,巣が近くにありそうな場合の対応 ●  剪定などの作業をする時はハチを刺激しないように,長袖で白っぽい服装をしてください.また頭部は攻撃を受けやすいので帽子をかぶり,軍手などをはめて露出部分を少なくします. ●  作業にかかる前に作業場所の周辺をゆっくり歩いて点検し,ハチの出入りがないか確認してください. ●  オオスズメバチに限っては,餌場においても縄張り意識が強く働くため,樹液にやってきたハチを刺激すると,攻撃してくることがありますから注意して下さい. ● 巣が付近にない場合の対応 ●  スズメバチはアベマキ(クヌギ)やコナラ,ヤナギなどの樹液を舐めに集まってきます.また,生け垣によく利用されるベニカナメモチ(レッドロビン)にもスズメバチが集まります. その他,ヤブガラシやキヅタ,ホソバヒイラギナンテンなどの花にも,多数のスズメバチやアシナガバチが花の蜜を舐めに集まってきます。こうした場所では,ハチを直接握らない限り危険はありません.花の咲く時期が過ぎれば寄ってこなくなります. ただし,樹液に集まるオオスズメバチだけは例外で,餌場に対する縄張り意識が強く働くため,近づきすぎると攻撃してくることがあります.カブトムシやクワガタ採りの際には,樹液に飛来したハチを刺激しないように注意してください. ●  室内や車内にハチが入ってきた場合は,窓を開けて出ていくのを待ちます.ハチは明るい方へ向かう性質があり,そっとしておけば自然に外へ出て行きます.たたいたり追いかけ回さない限り決して人を刺すことはありません. _______________________________ 3)森林総合研究所 http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanko/chuki-seika/2005/chukiseika2005-5.pdf

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