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2009年8月17日月曜日

脳出血時の降圧

・脳出血時の降圧★★
  ペルジビン Or  ヘルベッサー? ★
  違いがあるといわれていたが、今は実際どうなんだろう?
  病院毎のローカルールが支配的?★☆
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脳出血

■厚生科学研究班編/医療・GL(03年)/ガイドライン

2.高血圧性脳出血の非手術的治療
2-2.血圧の管理
【推奨】
1.脳出血急性期の血圧に関しては、収縮期血圧>180mmHg、拡張期血圧>105mmHg、または平均血圧>130mmHgのいずれかの状態が20分以上続いたら降圧を開始すべきである(グレードC1)。収縮期血圧<180mmhgかつ拡張期血圧<105mmhgでは降圧薬をすぐに始める必要はない(グレードc1)。
2.外科治療(後述)を考慮する際には、より積極的な降圧が推奨される(グレードC1)。
3.降圧薬の種類としては特に推奨できるものはないが、脳血管を拡張する可能性のある薬剤は脳圧亢進を引き起こすため慎重な投与が望まれる(グレードC1)。
【エビデンス】
脳出血急性期の降圧についてのrandomized controlled trial(RCT)はない。 後ろ向き検討法にて、降圧が良好な症例では予後が良いこと1)(IV)2)(IIa)、血腫の増大が少ないこと3,4,5)(IV)が報告されている。 また降圧は術中、術後の再出血を有意に抑制する6)(IV)。 脳卒中全般について降圧と予後についての後ろ向き検討報告をメタ分析した論文7)(Ia)があるが、相関は有意ではなかった。 降圧効果のある薬剤として、カルシウム(Ca)拮抗薬8)(Ia)、β遮断薬9)(Ib)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬8)(Ia)、硝酸薬8)(Ia)があげられる。 硝酸薬は脳圧を亢進させることが予想されるが、臨床的に予後に影響したという報告はなく10)(Ib)、脳血流に及ぼす影響はカルシウム拮抗薬と同等であった11)(IIb)。 本邦ではニカルジピン(ぺルジピン)、ニルバジピン(ニバジール)などのCa拮抗薬は「頭蓋内出血で止血が完成していない患者、脳卒中急性期で頭蓋内圧亢進」の患者には使用禁忌とされる。 またヒドララジン、トドララジン、ブドララジン、カドララジンは「頭蓋内出血急性期」の患者には禁忌であり、また、カリジノゲナーゼは「脳出血直後などの新鮮出血時」は禁忌となっている。
【引用文献】
1)Dandapani BK, Suzuki S, Kelley RE, Reyes-Iglesias Y, Duncan RC. Relation between blood pressure and outcome in intracerebral hemorrhage. Stroke 1995;26:21-24
2)Meyer JS, Bauer RB. Medical treatment of spontaneous intracranial hemorrhage by the use of hypotensive drugs. Neurology 1962;12:36-47
3)Maruishi M, Shima T, Okada Y, Nishida M, Yamane K. Involvement of fluctuating high blood pressure in the enlargement of spontaneous intracerebral hematoma. Neurol Med Chir(Tokyo)2001;41:300-305
4)数井誠司. 脳出血の増大:頻度, 時間的経過および関与する因子. 循環器病研究の進歩 1997;XVIII:77-84
5)Isozumi K, Hori S, Tanahashi N, Shinozawa Y, Fujishima S, Aikawa N. Superacute phase blood pressure elevation may relate to massive hematoma in hypertensive putaminal hemorrhage. Keio J Med 1997;46:81-84
6)本藤秀樹. 2. 脳血管障害と高血圧管理. 脳出血急性期(外科の立場から). 脳卒中 1997;19:432-436
7)Blood pressure in Acute Stroke Collaboration(BASC). Interventions for deliberately altering blood pressure in acute stroke. Cochrane Database Syst Rev 2001;4:1-15
8)The Blood pressure in Acute Stroke Collaboration(BASC). Vasoactive drugs for acute stroke. Cochrane Database Syst Rev 2001;4:1-25
9)Barer DH, Cruickshank JM, Ebrahim SB, Mitchell JRA. Low dose beta blockade in acute stroke("BEST"trial):an evaluation. Br Med J(Clin Res Ed)1988;296:737-741
10)Broderick JP, Adams HP Jr, Barsan W, Feinberg W, Feldmann E, Grotta J, et al. Guidelines for the management of spontaneous intracerebral hemorrhage:A statement for healthcare professionals from a special writing group of the Stroke Council, American Heart Association. Stroke 1999;30:905-915
11)Kuroda K, Kuwata N, Sato N, Funayama M, Yabuta A, Taguchi S, et al. Changes in cerebral blood flow accompanied with reduction of blood pressure treatment in patients with hypertensive intracerebral hemorrhages. Neurol Res 1997;19:169-173

2009年7月10日金曜日

高血糖時の治療

●高血糖 <インスリン投与>少量持続! ・まずHR10U 皮下注(必ずしも必要ではない) 0.1U/kg ・HR100U/500ml生食(0.2U/ml )で0.1U/kg ・Hのスピードで。 血糖が250~300になるまで続ける <輸液> ・大量補液(体重の10%は不足している)  500ml/Hで開始する。血圧80mmHg 以下、HR120以上であれば、心機能が良ければ1000ml・H ・最初の3~4Hは200~500ml・Hで継続し、血糖、ケトン、電解質チェック 4L・日以下では脳浮腫はおこさない ・高浸透圧(>350mOsm・L)でも、初期治療には生食。(生食は308mOsm・Lであり、患者の血漿よりは低張)むしろ、低張食塩水の投与のほうが、脳浮腫の危険性が上がる。  

2009年7月5日日曜日

眼瞼の外傷 眼瞼を縫合してもいいのか?

1)メルクマニュアル 2)解剖 __________________________ 1>眼の鈍的外傷は,眼瞼から眼窩の範囲に損傷が及ぶ。 眼瞼: 眼瞼の挫傷(眼瞼皮下出血)には角膜損傷が併発することがあり,見過ごすべきではないが,眼瞼の挫傷は,臨床的にというよりむしろ審美上の観点から問題である。 合併症のない挫傷は,受傷後24〜48時間氷嚢で冷やして腫脹を防いだ後,温湿布で血腫の吸収を促す。 眼瞼縁や瞼板に及んでいない軽度の眼瞼裂創は,6-0または7-0のナイロン糸(小児なら,腸吸収糸)で縫合する。 眼瞼縁の裂創は,眼科医が修復すれば,正確に並置されて,瞼縁に切痕が残ることを避けることができる。 下眼瞼内側部の裂創(涙小管まで及んでいる可能性がある),貫通性裂創,および眼窩脂肪や瞼板が露出する裂創などの重度の眼瞼裂創も,眼科医が修復すべきものである。 眼球: 外傷は,結膜,前房,および硝子体の出血,網膜の出血または剥離,虹彩の裂創,白内障,水晶体偏位,緑内障,ならびに眼球破裂を引き起こしうる。眼瞼の大きな浮腫または裂創は,評価が困難な場合がある。それでも,直ちに外科治療が必要な場合もあるため,内向きに圧力を加えないように注意して眼瞼を開き,できるだけ完全な検査を行う。少なくとも,視力,瞳孔反射,外眼運動,前房深度または出血,赤色反射の有無に注目する。鎮痛薬または抗不安薬を用いると,検査が容易になる場合がある。開瞼器または眼瞼固定器を慎重に用いれば,眼瞼を開くことが可能になる。眼科医による診察の前に実施可能な緊急治療には,1%シクロペントレート1滴と2.5%フェニレフリン1滴による散瞳,保護眼帯の装着(眼の外傷: 治療を参照 ),および眼内異物について前述した局所性および全身性抗菌薬による感染症対策がある。眼球に軟膏が侵入することは望ましくないため,眼球に裂創がある場合,局所性抗生物質の投与方法は点眼に限るべきである。開放創の真菌感染は危険であるため,手術で閉創するまで,コルチコステロイドは禁忌である。ごくまれに,片側の眼球の裂創後,対側の無傷の眼球に炎症が起き(交感性眼炎―ぶどう膜炎: 交感性眼炎を参照 ),治療しないと失明に至ることがある。この機序は自己免疫反応であり,コルチコステロイド点眼により予防可能である。 前房出血: この傷害には,眼科医が直ちに対応する必要がある。再出血,緑内障,角膜血痕が続発することがあり,そのいずれもが失明に至る可能性がある。前房出血が視界を妨げるほどに大きい場合を除き,症状は随伴する傷害によるものである。典型的には,直接視診で前房に血液の層もしくは凝結塊,またはその両方が認められる。血液層は,前房下部に半月状の層として認められる。それほど重篤ではない微小前房出血は,直接視診では前房の濁りとして検出され,細隙灯顕微鏡検査では浮遊赤血球として検出される。 患者を床上安静として頭部を30度挙上し,さらなる損傷から眼を守るために眼帯を装着する(眼の外傷: 角膜上皮剥離と角膜の異物を参照 に既述の通り)。 再出血のリスクが高い患者(例,大量の前房出血の患者,出血性素因を有する患者,抗凝固薬服用患者,鎌状赤血球症患者),眼内圧(IOP)の管理が困難な患者,指示を守らない患者は,入院させる場合がある。経口および局所NSAIDは,再出血を促すことがあるため禁忌である。眼内圧は,急性に上昇することも(鎌状赤血球症または鎌状赤血球体質の患者では通常,数時間以内),数カ月後,数年後に上昇することもある。したがって,数日間は眼内圧を毎日モニタリングし,その後数週間および,数カ月間は定期的に,また症状が現れた場合(例,眼痛,視力低下,急性閉塞隅角緑内障に似た悪心)にも測定する。眼内圧が上昇した場合,0.5%チモロール1日2回,0.2%もしくは0.15%ブリモニジン1日2回,またはその両方を投与する。治療に対する反応は眼圧により判定し,眼圧がコントロールされるか,またはかなりの眼圧低下率が得られるまで,1〜2時間毎にチェックし,その後は通常1日1〜2回測定する。散瞳薬(例,1%アトロピンを1日3回,5日間)および局所コルチコステロイド(例,1%酢酸プレドニゾロンを1日4〜8回,2〜3週間)を投与することが多い。アミノカプロン酸50〜100mg/kgを4時間毎(30g/日を超えないこと),5日間経口投与すると,再発性出血が減少する場合もある。こうした症例において,眼科専門医でない者は縮瞳薬や散瞳薬を投与してはならない。続発性緑内障を伴う再発性出血では,まれに外科的な血液除去が必要となる。 眼窩吹き抜け骨折 : 吹き抜け骨折は,眼窩内容物が鈍的外傷により眼窩壁の最も弱い部分,通常は眼窩床から圧出されて起きる。眼窩内側および上壁も骨折することがある。 症状には,複視,眼球陥入,眼球の下方偏位,頬および上口唇のしびれ(眼窩下神経損傷による),皮下気腫などがある。鼻出血,眼瞼浮腫,斑状出血が起きることもある。診断は,CTを実施するのが最善である。複視または許容できない眼球陥入が2週間以上続いた場合,外科的修復が適応となる。 外傷後の虹彩毛様体炎 (外傷性前部ぶどう膜炎;外傷性虹彩炎) 外傷後虹彩毛様体炎は,ぶどう膜および虹彩の炎症性反応であり,典型的には眼の鈍的外傷の受傷後3日以内に発症する。 外傷後前部ぶどう膜炎の症状には,流涙,眼の拍動性疼痛および充血,羞明,視野のかすみなどがある。診断は,既往歴,症状,ならびに典型的には前房の発赤(炎症性滲出液により房水中の蛋白質濃度が上昇するため)や白血球を示す細隙灯顕微鏡検査に基づく。治療には,毛様体筋麻酔薬(例,0.25%スコポラミン1滴を1日3回,1%シクロペントレート1日3回,または5%ホマトロピン1日3回)を用いる。症状の持続時間を短縮するため,局所コルチコステロイド(例,1%酢酸プレドニゾロンを1日4〜8回)がしばしば用いられる。

スズメ蜂刺傷

<List> 1 )スズメ蜂刺傷マニュアルhttp://www.kch.kagoshima.kagoshima.jp/pubjp/gijyutu/kango/qq/manu2.htm 2)スズメバチ 生態 http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/ 3)森林総合研究所 http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanko/chuki-seika/2005/chukiseika2005-5.pdf ___________________________ <1> #針除去時の注意点 ■治療と看護のポイント ■治療のフローチャート ■アナフィラキシーショック (1)準備するもの (2)病態と治療・看護 ■針除去時の注意 ■蜂刺傷特殊な病態 ■問い合わせに対して ■退院時指導 ■蜂毒成分 ■ 治療・看護のポイント 1.問題となる全身症状の病態はアナフィラキシーショックです。 冷静、かつ速やかな対処が必要です。2.患者さんは全身の違和感と死の恐怖でいっぱいです。 安心感を与える言葉かけを忘れないようにしましょう。2.ハチの針がまだ刺さっていたら、針除去時の注意を参照。 TOP ■ 鉢刺傷 治療のフローチャート 全身性の皮疹(紅斑・蕁麻疹・血管性浮腫) つまり、アレルギー反応があるかないか!!を見極めるべし。 / \     あり なし 局所の腫脹 呼吸困難・血圧低下 / \  / \     なし あり なし あり ・ステロイド剤軟膏 ・ステロイド投与・抗ヒスタミン剤 ・ステロイド投与・抗ヒスタミン剤・肝庇護剤 アナフィラキシーショック・準備するもの病態と治療・看護 TOP ■ アナフィラキシーショックに対し備えておくもの 気道確保 挿管セット・酸素吸入・吸引セット 血管確保 ヴィーンFなどの 各種薬剤 ・エピネフィリン・昇圧剤・気管支拡張剤・ステロイド ECG 各種モニタリング TOP ■ 病態とと治療・看護 病 態 と 観察項目 看    護 治    療 【初期症状】・全身の違和感と死への恐怖 安心感を与える言葉かけ 【呼吸器系症状】・咽頭、口蓋垂の浮腫のため嗄声と発声障害・粘膜分泌亢進・気管収縮 ∇喘息様症状気道浮腫、分泌物貯留による窒息 気道確保分泌物吸引 挿管・ステロイド投与硫酸アトロピン気管支拡張剤 【心血管系症状】・末梢血管拡張により、血液が末梢へ移動する。・血管壁透過性亢進により血漿成分が血管外へ漏出する。 ∇             ・血液の濃縮            ・循環血液量の減少 ∇             ・血圧低下            ・意識障害            ・冠動脈血流低下⇒不整脈                        ST低下 ショック体位ECG エピネフィリン投与血管確保輸液(20ml/Kg/h)抗不整脈剤冠拡張剤 【中枢神経系症状】・瞳孔縮小・除脈・昏睡・呼吸停止 【消化管系症状】・腸管粘膜浮腫と分泌亢進・腸蠕動亢進 ∇・吐気、嘔吐・腹痛・下痢、失禁 誤嚥防止 【皮膚症状】・血管拡張、透過性亢進 ∇・蕁麻疹、紅斑∇・掻痒感※疼痛によるショック死の例もあり 針の除去洗浄、消毒刺傷部周辺の冷却 抗ヒスタミン剤の塗布 TOP ■ 針除去時の注意点 1.できるだけ。触らずに爪で弾き飛ばしましょう。2.それでも、抜けない場合は、爪やピンセットで毒嚢をつぶさないように丁寧に抜きましょう。  慌てると、針先が残ることも在ります。3.場合によっては局所麻酔下で、周囲の皮膚を含めて切除します。4.二次感染から膿瘍を形成した場合には、切開排膿し抗生剤を投与します。 TOP ■ 蜂刺傷特殊な病態 病 態 と 観察項目 看    護 治    療 【蜂毒そのものによる症状】・横紋筋ミトコンドリアの破壊⇒横紋筋融解CPK・GOT・GPT・LDHなどの逸脱酵素の上昇 ∇MOF・尿細管壊死 ∇無尿、急性腎不全・血管脳関門の破壊 ∇脳圧亢進症状 ヘモグロビン尿の観察データチェック尿量、水分出納バランス 血漿交換フロセミド投与(尿量50ml/hは確保する)脳圧下降剤 【眼球刺傷】・早く処置をする・虹彩炎 ・ステロイド眼注・アトロピン点眼 TOP ■ 電話で問い合わせがあったら 一番大切なことは、「最も近い医療機関へ行きなさい。」とアドバイスすることです。アナフィラキシーショックは30分でおきます。ショックになる前に医療機関に収容できるかどうかが、大切なのです。 TOP ■ 退院時の指導 蜂に刺されてショックを起こすと、次に指されたら、もっと重症化する危険性が高いのです。次の2項目を充分説明してから、退院していただきましょう。【 蜂に刺されないために 】・蜂の巣に近づかない ・家屋内に営巣させないよう穴をふさぐ肌に密着する衣服を用い,服のしたに蜂が入らないようにする. ・白っぽい服を着る(花模様の服や黒い服をさける) ・芳香のある化粧品は避ける ・戸外で甘味物の飲食をしない ・自動車の窓を開け放しにしない ・蜂のいるところで立ち止まらない. ・洗濯物を取り入れるときは蜂をまぎれ込ませないよう注意する ・不用意に藪の中に入らない見張りの蜂をみかけたら,その巣が近いので注意する 【蜂に刺されたら】最も近い医療機関へ行く!! TOP ■ 資料:蜂毒の成分 ハチ毒の成分は、活性アミン、ポリメプタイド、酵素の3つ。 1)活性アミン   スズメバチ :ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリン   アシナガバチ:ヒスタミン、セロトニン、ドバミン、ノルエピネフリン   ミツバチ  :ヒスタミン、ドバミン、ノルエピネフリン   *これらは、局所の疼痛、腫脹の原因 2)ポリメプタイド   スズメバチ :スズメバチキニン   アシナガバチ:アシナガバチキニン   ミツバチ  :メチレン、アバミン、MCD、ミニマイン   *メチレン、アバミンは、細胞膜に直接作用し、細胞内顆粒を放出    キニンは、一部、ブラジキニンと同じ配列をもつ 3)酵素   スズメバチ :ホスホリパーゼA,ホスホリパーゼB   アシナガバチ:ホスホリパーゼA,ホスホリパーゼB,ヒアルロニダーゼ   ミツバチ  :ホスホリパーゼA,ホスホリパーゼB,ヒアルロニダーゼ   *これらは、溶血作用、局所破壊作用をもつ 日本救急医学会認定医認定委員会編集『救急認定医のための診療指針』 _________________________________________ 2) スズメバチやアシナガバチ,ミツバチなどの集団生活をするハチは,外敵から巣を防衛する手段として攻撃性が発達しています.そのため,直接,間接を問わず巣に刺激を加えると毒針を武器にして攻撃してきます. スズメバチに刺されないための対処法は,(1) 巣の所在が明らかな場合,(2)巣が近くにありそうな場合,(3) 巣はないがハチが飛んでいる場合のそれぞれで異なります. ● 巣の所在が分かっている場合の対応 ●  とにかく巣に近づかないことです.巣との間に十分な距離が保てれば共存も可能です.ただし,キイロスズメバチとオオスズメバチは,9月~10月にかけて,巣の近くを集団で通行したりすると,攻撃してくることがあるので注意が必要です. ●  巣に直接触れたり,棒や石などで刺激を加えることはもちろん,枝を揺らしたり,近くで作業をしてハチを刺激しないようにします.一般におとなしいとされている種でも,巣に刺激を与えると激しく攻撃してきます. ● 巣を見つけたら早めに取り除くことが大切です.春先の女王バチによる単独営巣期には,危険性がほとんどないので駆除も容易です. ● 巣の所在はわからないが,巣が近くにありそうな場合の対応 ●  剪定などの作業をする時はハチを刺激しないように,長袖で白っぽい服装をしてください.また頭部は攻撃を受けやすいので帽子をかぶり,軍手などをはめて露出部分を少なくします. ●  作業にかかる前に作業場所の周辺をゆっくり歩いて点検し,ハチの出入りがないか確認してください. ●  オオスズメバチに限っては,餌場においても縄張り意識が強く働くため,樹液にやってきたハチを刺激すると,攻撃してくることがありますから注意して下さい. ● 巣が付近にない場合の対応 ●  スズメバチはアベマキ(クヌギ)やコナラ,ヤナギなどの樹液を舐めに集まってきます.また,生け垣によく利用されるベニカナメモチ(レッドロビン)にもスズメバチが集まります. その他,ヤブガラシやキヅタ,ホソバヒイラギナンテンなどの花にも,多数のスズメバチやアシナガバチが花の蜜を舐めに集まってきます。こうした場所では,ハチを直接握らない限り危険はありません.花の咲く時期が過ぎれば寄ってこなくなります. ただし,樹液に集まるオオスズメバチだけは例外で,餌場に対する縄張り意識が強く働くため,近づきすぎると攻撃してくることがあります.カブトムシやクワガタ採りの際には,樹液に飛来したハチを刺激しないように注意してください. ●  室内や車内にハチが入ってきた場合は,窓を開けて出ていくのを待ちます.ハチは明るい方へ向かう性質があり,そっとしておけば自然に外へ出て行きます.たたいたり追いかけ回さない限り決して人を刺すことはありません. _______________________________ 3)森林総合研究所 http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanko/chuki-seika/2005/chukiseika2005-5.pdf