結核性髄膜炎で低Cl血症あり、その結果 髄液Cl濃度低下する。ローゼンタール計測盤では、/3mm3で表示される 国際的には 3で割って /μLで表示
髄液一般検査の標準化 平成20 年7 月
市立芦別病院 臨床検査室 遠藤 雅仁
【 はじめに 】
脳脊髄液(髄液)は中枢神経系の病態に直接アプローチできる数少ない検査材料であり、特に髄液一
般検査は早急な治療を必要とする髄膜炎・脳炎の診断や治療経過の観察のために欠くことのできない検
査法である。だが、日常検査の中での髄液は検査件数や症例数が血液や尿と比較して非常に少ないとい
う宿命的なハンディを持つことも事実である。
Ⅰ。髄液の採取と取り扱い
1. 腰椎穿刺髄液と脳室ドレナージ髄液
髄液は通常、腰椎穿刺により採取されるが、水頭症などが原因で脳室ドレナージを施行している患
者では脳室に挿入されたドレナージを介して採取した髄液が検体として提出される場合がある。注意
すべきは脳室ドレナージ髄液は蛋白量が腰椎穿刺髄液の1/2~1/3にとどまる点である。これは
髄液巡回速度の違いにより腰椎では髄液が濃縮されるためと考えられる。また、ドレナージ髄液には
医原的原因により脳組織片や脈絡層細胞の混入をみとめることが少なくない。これらに臨床的出現意
義はないが、病的な所見と誤認しないように注意する必要がある。ドレナージ髄液の採取は頭部皮下
の貯留槽(リザーバー)より行う。廃液バック中の髄液は細胞が変性融解し、二次的な雑菌の増生を
認め、検体として使用できない。
2. 髄液採取後は迅速に対応する
髄液は2~3本の滅菌スピッツに分けて採取し、そのうちの最初に採取した1本目を髄液一般検査
に使用し、残りを微生物検査や他の特殊検査などに用いる。髄液は成人で1 分間に約1ml の速度で
更新されており、そのため腰椎穿刺では最初に流出する髄液により多くの細胞を含む傾向がある。採
取した順番をスピッツに記入しておくとよい。一般検査の場合、髄液量は1mlあれば再検まで可能
である(細胞数算定・分類200μl、化学的検査200~300μl)。抗凝固剤は原則として使
用しない。特にヘパリンはサムソン液と反応して塵埃状物質が析出し細胞算定が困難になるので注意
する。髄液中の細胞や化学物質は極めて不安定であり、採取後は遅くても1時間以内に検査を開始す
る。
Ⅱ。細胞数の算定と分類
1. サムソン液による髄液希釈
マイクロピペットを用いて髄液180μlとサムソン液20μl(9:1)を混和する。混和する
試験管はプラスチック(ポリプロピレン)製を使用し、管壁への細胞付着をできるだけ少なくする。
サムソン液は市販のものでもよいが、2年に1度は調和し直し一定の染色性を保つようにする。
2. フックス・ローゼンタール計算盤
サムソン液で10/9倍に希釈した髄液は軽く混和後、すぐに計算盤に注入する。フックス・ロー
ゼンタール計算盤を使用するが、最近ではディスポーザブルタイプのものが使用されるようになった。
定価は1枚500円程度と割高だが、計算盤を洗浄する必要がなく、バイオハザード対策にも有効で
あることから繁忙な検査室での利用価値は高い。ただ、ディスポーザブルタイプは計算室内の髄液が
乾燥しやすいため、速やかに鏡検する必要がある。またガラス製の従来の計算盤に比較して計算室の
ライン構成はかなりラフである。
3. 細胞算定の実際
計算盤に髄液を注入後、5分間ほど放置し計算盤の底に細胞が静止するのを持って算定を開始する。
顕微鏡の倍率は200倍(接眼レンズ10倍×対物レンズ20倍)を用いることで細胞算定と分類が
同時に行え効率的である。フックス・ローゼンタール計算盤は計算室の特性から算定した細胞は/3
mm³となる。わが国では従来よりこれをそのままの単位で用いてきたが、細胞数の国際単位は血液
であれ、尿であれ、髄液であれ単位は/μlで示すのが望ましい。したがって、細胞数が150/3
mm³であれば、3で割って50/μlと報告する。
4. 細胞分類の実際
多核球と単核球に分類する。多核球として好中球、好酸球、好塩基球をまとめ、単核球としてリン
パ球、単球、組織球をまとめる。一般検査における髄液細胞分類の第一の目的は早急な治療を必要と
する細菌性髄膜炎の診断である。すなわち、細菌性髄膜炎で増加する好中球を他の細胞と区別するこ
とにほかならない。もちろん、多核球には好中球のほかに好酸球と好塩基球があるわけだが、これら
を計算盤上で明確に鑑別することは不可能である。ただ最近、保存の良い好酸球については計算盤上
でも推定可能との見解をみるが、現状では計算盤では多核球 = 好中球として取り扱う。
計算盤上の細胞は球状であり、計算盤の底に設置した細胞の位置により細胞核の見え方は様々に変
化し、多核細胞であっても核が重なり合えば単核状に見えてしまうことがある。計算盤による細胞分
類のコツは核の形状にとらわれるのではなく、細胞質の形と色に留置することである。以下、計算盤
上の髄液細胞所見(サムソン染色)について述べる。
1)多核球
① 好中球:細菌性髄膜炎で箸明増多し、フクシン色素に染色されないアメーバー状の不整な細
胞質を特徴とする。
② 好酸球:細胞質はほぼ円形で、2核のことが多い。細胞質は淡いオレンジ色を呈しコンデン
サを下げると光り輝いて見える。好酸球性髄膜炎で増加し、原因としては寄生虫感染
症や各種アレルギー反応などが考えられる。
③ 好塩基球:細胞質顆粒などは認められず、好中球と鑑別できない。
2)単核球
① リンパ球:小型で円形の核を有し、細胞質は狭小で核周囲にリング状に認められる。ウイル
ス性髄膜炎で増加する。
② 単球:好中球、リンパ球に比較してやや大型で、切れ込みを持つ核は偏在し、細胞質はフク
シンに強く染まる。これは単球の細胞質内に小胞体が多く、この小胞体内部にフクシン
色素が取り込まれるためと解釈される。各種髄膜炎やクモ膜下出血などの無菌性髄膜反
応で出現する。
③ 組織球:大型でN/C 比が小さく、細胞質には小空砲やヘモジデリンの貪食を認めることが
ある。赤血球片やヘモジデリンを認めれば髄液腔内での出血を証明できる。出血や炎
症、その他物理的刺激で反応性に動員され、出現機序は単球と同様である。
Ⅲ。髄液一般検査における化学的検査
髄液の化学的検査を選択する上で最も重要なポイントは、それらの項目が臨床的意義を有し、確た
る根拠の基に迅速性、正確性をもって、いかに簡単に測定できるかという点である。
1.臨床的意義に乏しい化学的検査
髄液の化学的検査項目は施設によって千差万別であり、100年ほど前に考案された古典的な検査
法が何の疑いもなく継続して実施されている施設も少なくない。質の向上を追及する現代医療におい
て、根拠に乏しい検査を過去の慣習のみで実施することには大きな問題がある。
① ノンネ・アペルト反応・パンディー反応
ノンネ・アペルト反応は1908年に、パンディー反応は1910年に報告され、古典的な髄液
検査のグロブリン検出試験として理解されているが、いずれも真のグロブリン反応ではなく、単に
髄液蛋白の半定量法として認識すべきである。正確な蛋白定量が可能になり、さらには免疫グロブ
リンなどの詳細な検索が日常となった現在、これらの検査法を実施する臨床的意義はほとんどなく
なった。
② トリプトファン反応
トリプトファン反応は結核性髄膜炎の髄液中にトリプトファンが存在することが報告されて
以来、結核性髄膜炎の補助的診断法として応用されてきた。しかし、本法の反応機序はいまだ明
らかではなく、ウイルス性髄膜炎、細菌性髄膜炎やキサントクロミー髄液でも陽性を示すことが
あり、これが臨床の誤解を招く結果となりかねない。また、貴重な髄液材料を1度に1mlも使
用することも問題である。結核菌の迅速検出は迅速培養法やPCR 法などに委ねられるべきであ
る。
③ クロール
髄液クロールの測定も臨床的意義に乏しい。髄液中のCl は血中Cl に由来し、血中より15~
20mEq/l高値を示す。この差はDonnan(の膜)平衡ならびに髄液と血液間に存在する
電位差により生じるとされ、髄液Cl は血中Cl 値の変動に従い増減する。髄液の蛋白が上昇する
とDonnan 平衡に抵抗が加わり、そのぶん髄液Cl は低下する。たとえば細菌性髄膜炎など髄液
蛋白が著名に増加する例ではおのずと髄液Cl は減少する。すなわち、髄液Cl は髄液蛋白量を間
接的に見ているに過ぎない。かつて結核性髄膜炎で髄液Cl が特異的に低下するとの報告がなさ
れたことがあるが、のちにこれは結核性髄膜炎に生じる低クロール血症が原因であることが明ら
かにされた。したがって、血中Cl 値の把握と正確な髄液蛋白の測定がなされていれば、あえて
髄液Cl を測定する必要はないと思う。
2.臨床的意義のある化学的検査
24時間体制の検査室において、必須となる髄液化学検査を挙げるとすれば、蛋白と糖の2項
目である。さらに自動分析装置で容易に測定できることからLD とCK を重要参考項目として
付け加えたい。
1)蛋白
血清蛋白の0.2~0.6%が血液脳関門を通過し髄液に移行するとされており、腰椎穿刺
髄液の蛋白量は健康成人で15~45mg/dlでA/G 比も1.5~2.3と血清値とほぼ
同じである。髄液蛋白は各種中枢神経疾患で上昇し、一般的に50mg/dl以上であれば病
的増加と考えられる。特に細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎の増悪期や、ギラン・
バレー症候群などで高値を示す。これは、血液脳関門が破壊され、多くの蛋白が血中より髄液
に移行するためである。髄液蛋白の検出法としてはピロガロールレット法が代表的であり、分
光光度計や自動分析装置を用いて測定する。多発性硬化症や脳炎では中枢神経系で産生された
免疫グロブリンにより髄液蛋白が増加するため、A/G 比やIgG の検索が重要となる。
2)糖
通常、髄液糖は血糖値の60~80%に維持されており、その値はあくまでも血糖値に左右
される。髄液糖を評価する際は常に血糖値を参考にし対比する必要がある。髄液糖が低下する
代表的な疾患として細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、真菌性髄膜炎、悪性腫瘍の髄膜浸潤などが
挙げられ、これは髄液腔で増加した病原微生物や好中球による嫌気性解糖作用、あるいは血液
脳関門の破壊による糖移送能障害が原因とされている。測定には電極法や酵素法を用いる。
3)LD
細菌性髄膜炎で髄液中のLD が優位に上昇し、さらに予後推定や治療効果の判定に役立つこ
とから、臨床的に意義のある髄液マーカーとされている。正常髄液やウイルス性髄膜炎のLD
アイソザイムではLD4、LD5はほとんど認められないが、細菌性髄膜炎では著しく増加した
好中球由来のLD4、LD5 が上昇し、そのためLD 値が高くなる。しかし、ウイルス性髄膜炎
であっても髄液中にリンパ球が著名に増加した例ではリンパ球由来のLD2、LD3 が上昇し、
髄液LD が上昇を示すことがあるので注意する。また、腫瘍性疾患や中枢神経組織の破壊が生
じた場合も髄液LD が増加する。髄液LD の基準値はJSCC 法で25U/l以下である。
4)CK
髄液中CK は血中CK と独立して変動し、髄液蛋白量の影響もほとんど受けない。CK には
骨格筋由来のCK-MM、心筋由来のCK-MB、脳由来のCK-BB があるが、髄液中で検出
されるのはほとんどがCK-BB である。髄液中のCK 基準値は6U/l以下で、髄液中のCK
が上昇する疾患には脳挫傷、髄膜脳炎、脳腫瘍、脳血管障害、多発性硬化症などが挙げられ、
その上昇は脳組織の荒廃に由来すると考えられる。髄膜炎症例において、重症例や脳炎に波及
する例では細菌性、ウイルス性を問わず髄液CK の上昇を示すとされている。
【 おわりに 】
日臨技より出版された「髄液検査法2002」に準拠し、標準化を目的とした髄液細胞算定法や化学
的検査法についてまとめてみました。中枢神経系疾患は一般的に重篤な疾患であり、早急な診断と治療
を必要とすることが少なくない。そのため髄液一般検査は24時間体制の検査室で迅速検査項目として
取り扱われるのが通常である。つまり、検査室内のすべての検査技師が髄液検査と接する可能性が高い
わけであり、避けるべきは技師間の知識レベルや技術レベルの差のために患者に不利益を与えてしまう
ことにほかならない。定期的に検査室内で知識や技術の教育を実施し、検査室全体の資質の向上に繋が
るものと思われる。
【 参考文献 】
1.(社)日本臨床衛生検査技師会髄液検査法編集ワーキンググループ
「髄液検査法2002」。(社)日本臨床衛生検査技師会;2002
2.髄液の採取と検査の進め方。Medical Technology 2003;31(5)
3.髄液の生化学検査。Medical Technology 2003;31(5)
2010年1月5日火曜日
セレコックス COX2阻害薬
UpToDate COX-2 inhibitors and gastroduodenal toxicity ― major clinical
trials より・・・
関節リウマチの患者688人を対象に、 セレコキシブとナプロキセン、 プラセボを投与した群を12週間観察した。 セレコキシブとナプロキセンを投与した群
で、プラセボと比較して関節炎の症状が改善した。 内視鏡的に観察される胃十二指腸潰瘍の発生率は、 セレコキシブはプラセボと同等(約4%)であり、ナプ
ロキセンより(26%)極めて低かった。 655人の関節リウマチ患者を対象にした別の研究でもセレコキシ ブとジクロフェナクの胃腸障害の程度は同様の結
果であった。
上の2つの研究は内視鏡的に観察される潰瘍を調べており、 次の2つの研究は臨床上明らかな潰瘍に焦点を絞った。
CLASS研究は、8059人を対象とし、 最初の6ヶ月間においてセレコキシブはイブプロフェンやジクロフ ェナクよりも症状を有する潰瘍や潰瘍による合
併症が顕著に少なかった。加えて、 セレコキシブは非選択NSAIDsに比べて、肝障害、高血圧、 浮腫も少なかった。
この研究のサブ解析が行われた。 何人かの著者は次の6カ月間において、 イブプロフェンやジクロフェナクで治療した群と比較して、 セレコキシブで治療した
群では、潰瘍による合併症が多いと指摘した。その結果、 観察の1年後では、 3つの群において潰瘍合併症の発生には差がなかった。 この情報はFDAにて利
用でき、胃腸障害のリスクに関しては、 非選択的NSAIDsと同様であるとラベルづけされるような影響 を受けるかもしれない。セレコキシブが胃腸障害を
減少することができなかった理由として次のものがあげられる、 1)およそ20%の患者では低用量アスピリンを併用していた、 2)セレコキシブ800mg
/日という高用量が投与されていた、3) 比較的副作用の少ないNSAIDsとの比較がされていた。
2番目の研究(SUCCESS-1) では39ヶ国からの13274人の変形性関節症患者を対象とした 。8800人がランダムにセレコキシブ(100-2
00mg1日2回12週間)、4394人が非選択NSAIDs( ジクロフェナク50mg または ナプロキセン500mg1日2回12週間)に割りつけ
られた。両薬剤とも変形性関節症の治療には同等の効果であった。 NSAIDs群に比較してセレコキシブ群は2倍の対象数でありな がら、臨床上明らかな潰
瘍は2群間で同じであった(それぞれ18人ずつ、オッズ比2) この研究で潰瘍合併症は9例あり(7例がNSAIDs群、 2例がセレコキシブ群であった。
オッズ比7)。 アスピリンを併用していない患者では合併症はより少なく( 6例NSAIDs群、1例セレコキシブ群)、 アスピリン併用している患者とは異
なっていた(それぞれ1例の合併症)。 心血管のイベント発生の差を見出すほどの結果は得られなかった。 しかし、セレコキシブ群では10例の心筋梗塞、半
分の対象数であるNSAIDs群で1例の心筋梗塞(オッズ比0. 2)であった。
UpToDate COX-2 inhibitors and gastroduodenal toxicity ― major clinical
trials より・・・
関節リウマチの患者688人を対象に、
で、プラセボと比較して関節炎の症状が改善した。
ロキセンより(26%)極めて低かった。
果であった。
上の2つの研究は内視鏡的に観察される潰瘍を調べており、
CLASS研究は、8059人を対象とし、
併症が顕著に少なかった。加えて、
この研究のサブ解析が行われた。
群では、潰瘍による合併症が多いと指摘した。その結果、
用でき、胃腸障害のリスクに関しては、
減少することができなかった理由として次のものがあげられる、
/日という高用量が投与されていた、3)
2番目の研究(SUCCESS-1)
00mg1日2回12週間)、4394人が非選択NSAIDs(
られた。両薬剤とも変形性関節症の治療には同等の効果であった。
瘍は2群間で同じであった(それぞれ18人ずつ、オッズ比2)
オッズ比7)。
なっていた(それぞれ1例の合併症)。
分の対象数であるNSAIDs群で1例の心筋梗塞(オッズ比0.
2009年12月27日日曜日
周期性嘔吐症 autointoxication=「アセトン血性嘔吐症」
ストレス、風邪などが誘引となて生じる、頻回の嘔吐。
2~6歳ぐらいまでが多い。
大人にも見られる。ADH放出型?なども見られるようだ。
柳沢桂子さんもそう?認められぬ病気のこと???
_______________
<1>2~10才ぐらいの小児にみられる。
<2>尿中・血中ケトン体が急増したための中毒症状。
症状 突然、リンゴがすえたような臭い(アセトン体)の吐物を吐く発作が起きる
特別な原因もなく、元気がなくなり、
食欲不振・悪心・嘔吐があり、
顔面蒼白・血圧低下・全身倦怠を訴え、
重症では、
・激しい嘔吐を頻発、
・胆汁orコーヒー色の血液を吐き、
・脱水症となる。
脳波に異常を認めることもある。
原因不明 私は、30年あまりにわたって、原因不明の苦しい病気を患っていた。毎月1回は決まって起こる激しい嘔吐発作。そのたびに1週間は起きられない。気分が不快である上に、強い腹痛も伴った。1年の半分を病院で過ごしたこともあるが、体重は減り、点滴で栄養分と水分を補わなければならなかった。
名だたる病院の消化器科内科、消化器外科に次々かかり、徹底したドクターショッピング(医師を次々変えること)をした。しかし、どこへ行っても原因も病名も分からず、気のせいか、性格に悪いところがあるためだと言われた。家族も医師の言葉を信じ、私も自分を責め続けた。その苦しさは、病の苦しさを上回るものだった。
こうした状況が30年近く続いたある日、金沢の小児科の先生から一通のお手紙をいただいた。
先生は、私が書いた『認められぬ病』という本をお読みになって、私の病気が周期性嘔吐症候群という、脳幹の病気であると確信を持ってお手紙をくださった。先生のご専門は、周期性嘔吐症候群の中でもACTH・ADH放出症候群と呼ばれる病気で、やはり激しい嘔吐を伴う症状を呈する。
先生はアメリカとカナダの周期性嘔吐症候群の患者と医師の会があるからと、そこのメールアドレスを教えてくださった。私は早速会員になった。
会が年に2回送ってくれるニューズレターには、病気についての初歩的な知識から、印刷に回している最新論文のタイトルまで載っている。また、独自に募金を募り、医師に研究費を出している。
海のすぐ向こうの国でこのようなことが行われているにもかかわらず、なぜ日本の医師はこの病気を知らなかったのだろうか?特に消化器を扱う医師が誰一人として知らなかったことは、理解しがたい。
最近になって、この病気は三環系抗うつ剤で症状を抑えることが分かった。私もその恩恵に浴している。」(生命科学者・サイエンスライター・柳澤桂子)
疲れ
が引き金
寝る直前まで、元気だったんですが、急に吐き出して。5回も吐いて、顔も真っ青です。大丈夫でしょうか」と武君のお母さんがびっくりして駆け込んできました。どうやら自家中毒です。そうお伝えしたら、お母さんは「えっ、食中毒ですか。それとも何か毒でも」とますますあわててしまいました。
さっきまで元気に飛び跳ねていた子供がこれといった理由もないのに突然、ぐったりして何度も吐くことがあります。こういった状態を一般に自家中毒、または周期性嘔吐症、アセトン血性嘔吐症などと呼びます。
原因ははっきりしませんが、疲れやストレス、興奮、風邪などが引き金となり、過敏になった自律神経が腹痛、嘔吐を引き起こすと考えられています。尿検査をすると代謝が混乱した時に出るケトン体が見つかります。
痩せ型で神経質な子供がなりやすいと言われ、体質的なものとして何度も繰り返します。けれど、小学校高学年になると治っていくので大丈夫です。
軽い場合はスポーツドリンクなどを少しずつ、何回かに分けて与え、水分を補給します。飲ませてもすぐに吐いたり、元気がないようなら病院へいきましょう。点滴を受けると急に元気になることがあります。(橋爪孝雄・市立堺病院小児科部長)
ストレス 最近では自家中毒という言葉は使われずに、周期性嘔吐症と呼ばれることが多い。症状の特徴として、
発作は夜間または寝起きに多い
発作時はぐったりして元気が無く、頻脈・顔面蒼白を伴う。
発作は感染・飢餓などの身体的ストレスや感情的動揺によって誘発される。
発作は1日~数日で治り、発作以外に症状はない。年に数回、発作を繰り返すことが多く、大部分は年長になるにつれ自然に治る。
2~6歳までに多く、体形はやせ形で、性格は情緒不安定で神経質な小児に多い・・・・・などだ。
--------------------------------------------------------------------------------
原因については、ホルモン異常、神経異常、糖や脂質の代謝異常などいろいろと考えられているが、ハッキリしたことは分かっていない。
治療は脱水状態にならないように、ジュースなどを少量ずつ飲ませる。飲めないようであれば点滴が必要になる。
--------------------------------------------------------------------------------
予防策としては、
(1)疲労後に空腹のまま寝かせつけないようにすること。
(2)ストレスを取り除くこと。
最後に、重要なことは、嘔吐を反復する別の病気が隠れている可能性があるので、嘔吐を繰り返すからと、安易に周期性嘔吐症と考えないことである。
黄連湯
五苓散
柴胡桂枝湯
大承気湯
調胃承気湯
六君子湯
ストレス、風邪などが誘引となて生じる、頻回の嘔吐。
2~6歳ぐらいまでが多い。
大人にも見られる。ADH放出型?なども見られるようだ。
柳沢桂子さんもそう?認められぬ病気のこと???
_______________
<1>2~10才ぐらいの小児にみられる。
<2>尿中・血中ケトン体が急増したための中毒症状。
症状 突然、リンゴがすえたような臭い(アセトン体)の吐物を吐く発作が起きる
特別な原因もなく、元気がなくなり、
食欲不振・悪心・嘔吐があり、
顔面蒼白・血圧低下・全身倦怠を訴え、
重症では、
・激しい嘔吐を頻発、
・胆汁orコーヒー色の血液を吐き、
・脱水症となる。
脳波に異常を認めることもある。
原因不明 私は、30年あまりにわたって、原因不明の苦しい病気を患っていた。毎月1回は決まって起こる激しい嘔吐発作。そのたびに1週間は起きられない。気分が不快である上に、強い腹痛も伴った。1年の半分を病院で過ごしたこともあるが、体重は減り、点滴で栄養分と水分を補わなければならなかった。
名だたる病院の消化器科内科、消化器外科に次々かかり、徹底したドクターショッピング(医師を次々変えること)をした。しかし、どこへ行っても原因も病名も分からず、気のせいか、性格に悪いところがあるためだと言われた。家族も医師の言葉を信じ、私も自分を責め続けた。その苦しさは、病の苦しさを上回るものだった。
こうした状況が30年近く続いたある日、金沢の小児科の先生から一通のお手紙をいただいた。
先生は、私が書いた『認められぬ病』という本をお読みになって、私の病気が周期性嘔吐症候群という、脳幹の病気であると確信を持ってお手紙をくださった。先生のご専門は、周期性嘔吐症候群の中でもACTH・ADH放出症候群と呼ばれる病気で、やはり激しい嘔吐を伴う症状を呈する。
先生はアメリカとカナダの周期性嘔吐症候群の患者と医師の会があるからと、そこのメールアドレスを教えてくださった。私は早速会員になった。
会が年に2回送ってくれるニューズレターには、病気についての初歩的な知識から、印刷に回している最新論文のタイトルまで載っている。また、独自に募金を募り、医師に研究費を出している。
海のすぐ向こうの国でこのようなことが行われているにもかかわらず、なぜ日本の医師はこの病気を知らなかったのだろうか?特に消化器を扱う医師が誰一人として知らなかったことは、理解しがたい。
最近になって、この病気は三環系抗うつ剤で症状を抑えることが分かった。私もその恩恵に浴している。」(生命科学者・サイエンスライター・柳澤桂子)
疲れ
が引き金
寝る直前まで、元気だったんですが、急に吐き出して。5回も吐いて、顔も真っ青です。大丈夫でしょうか」と武君のお母さんがびっくりして駆け込んできました。どうやら自家中毒です。そうお伝えしたら、お母さんは「えっ、食中毒ですか。それとも何か毒でも」とますますあわててしまいました。
さっきまで元気に飛び跳ねていた子供がこれといった理由もないのに突然、ぐったりして何度も吐くことがあります。こういった状態を一般に自家中毒、または周期性嘔吐症、アセトン血性嘔吐症などと呼びます。
原因ははっきりしませんが、疲れやストレス、興奮、風邪などが引き金となり、過敏になった自律神経が腹痛、嘔吐を引き起こすと考えられています。尿検査をすると代謝が混乱した時に出るケトン体が見つかります。
痩せ型で神経質な子供がなりやすいと言われ、体質的なものとして何度も繰り返します。けれど、小学校高学年になると治っていくので大丈夫です。
軽い場合はスポーツドリンクなどを少しずつ、何回かに分けて与え、水分を補給します。飲ませてもすぐに吐いたり、元気がないようなら病院へいきましょう。点滴を受けると急に元気になることがあります。(橋爪孝雄・市立堺病院小児科部長)
ストレス 最近では自家中毒という言葉は使われずに、周期性嘔吐症と呼ばれることが多い。症状の特徴として、
発作は夜間または寝起きに多い
発作時はぐったりして元気が無く、頻脈・顔面蒼白を伴う。
発作は感染・飢餓などの身体的ストレスや感情的動揺によって誘発される。
発作は1日~数日で治り、発作以外に症状はない。年に数回、発作を繰り返すことが多く、大部分は年長になるにつれ自然に治る。
2~6歳までに多く、体形はやせ形で、性格は情緒不安定で神経質な小児に多い・・・・・などだ。
--------------------------------------------------------------------------------
原因については、ホルモン異常、神経異常、糖や脂質の代謝異常などいろいろと考えられているが、ハッキリしたことは分かっていない。
治療は脱水状態にならないように、ジュースなどを少量ずつ飲ませる。飲めないようであれば点滴が必要になる。
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予防策としては、
(1)疲労後に空腹のまま寝かせつけないようにすること。
(2)ストレスを取り除くこと。
最後に、重要なことは、嘔吐を反復する別の病気が隠れている可能性があるので、嘔吐を繰り返すからと、安易に周期性嘔吐症と考えないことである。
黄連湯
五苓散
柴胡桂枝湯
大承気湯
調胃承気湯
六君子湯
2009年12月4日金曜日
早朝高血圧とは
血圧が正常な方でも、朝、目覚める前から血圧は上がってきます。この目覚めのときの血圧の上昇が急に起こり、高血圧の状態になってしまう現象を「早朝高血圧」といいます。
降圧薬などで高血圧の治療に取り組み、日中の血圧はコントロールできている方の中にも、早朝高血圧が起こっている場合があります。家庭で、朝起きてすぐに測った血圧が、収縮期血圧135mmHg/拡張期血圧85mmHg以上の場合は、早朝高血圧の疑いがあります。
早朝高血圧の危険性
高血圧が原因のひとつとなって起こると考えられている脳卒中や心筋梗塞の発作は、朝方から午前中にかけて多く発生することが分かっています。これは、早朝高血圧が起こっている時間帯と同じ時間帯です。したがって、午前中の脳卒中や心筋梗塞の発作と、早朝高血圧には関係があると考えられており、その危険性が注目されています。
早朝高血圧の治療
早朝高血圧には、レニンアンジオテンシン系(RA系)という体内の酵素・ホルモン系や交感神経系が深く関係しているといわれています。したがって、早朝高血圧が見つかった患者さんには、RA系に働く薬(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬〔ARB〕、アンジオテンシン変換酵素阻害薬〔ACE阻害薬〕)や交感神経系に働く薬(α遮断薬)を使うことが勧められます。また、24時間にわたって血圧をコントロールするために、作用時間の長い降圧薬を使ったり、朝夕の2回に分けて降圧薬を飲んだりする方法も勧められています。
血圧日内変動とは
血圧は一日中同じ値を保っているわけではなく、さまざまな要因で上がったり下がったりしています。この血圧の変化を「血圧日内変動」といいます。
24時間自由行動下血圧測定(ABPM)が可能になって、この血圧日内変動に一定のリズムがあることが分かっていますが、このリズムの乱れと、合併症や臓器障害には深い関係があることが注目されています。
血圧日内変動のリズム
一般的に、血圧は睡眠中にはもっとも低く、起床前から起床後に上がります。そして、夕方から夜にかけて下がるという一定のリズムを刻んでいます。
この血圧日内変動には、自律神経の働きが大きくかかわっていると考えられています。自律神経には、身体を活動的な状態にする交感神経と、身体を休めるように働く副交感神経の2つの系統がありますが、朝から昼間にかけては交感神経が強くなるため血圧が高くなり、逆に夜や睡眠中は副交感神経が強くなるため血圧が低くなるものと考えられます。
血圧日内変動のリズム
夜間の血圧
血圧が正常な方は、通常、昼間の血圧に対して夜間の血圧が10~20%低くなるパターン(ディッパー型)を示します。しかし、なかには血圧日内変動のリズムが狂っていて、夜間に血圧が低くならない方(ノン・ディッパー型)や、夜間に血圧が極端に下がりすぎてしまう方(エクストリーム・ディッパー型)がいることが分かってきました。このうち、ノン・ディッパー型の方では脳血管障害や心肥大などの合併症や臓器障害が起こりやすいことが分かっています。またエクストリーム・ディッパー型の方でも、はっきりとした結論にはなっていないものの、症状を伴わない脳梗塞になりやすいという研究結果もあります。
このように血圧の日内変動をみると、合併症の危険性が分かることがありますので、高血圧の治療では家庭血圧の測定や24時間自由行動下血圧測定(ABPM)が勧められます。
ピークフローメータの数値の読み方・考え方
気道過敏性が高まると、日ない変動が多くなる
朝低い ヒル14時高い→20%以内であれば正常。
■ 自己のベストピークフロー値気道に病変を持たない健常者のピークフロー値が発表されています。お子さんの場合ですと、身長に応じた正常のピークフロー値も発表されています。しかし、喘息の患者は必ずしもこれらの数値にとらわれる必要はないとされています。絶えず自己のベストピークフロー値になるようにコントロールされるべきと言われています。では自己のベストピークフロー値とは、どういったものでしょうか。喘息の自覚症状はなく、朝と午後のピークフローの変動が少ない状態が2週間以上続いたときのピークフローを指します。それは先程も述べましたように、健常者のピークフロー値と必ずしも同じになるとは限りません。普段はこの自己ベストピークフロー値を目標にコントロールされます。
■ ピークフロー値の低下
これはすなわち気管支の収縮、つまり喘息発作の前兆を示しています。自覚症状が無くてもピークフローメーターは敏感に反応してきます。
■ピークフロー値の日内変動
ピークフローは一日中一定ではありません。起床時と日中の午後の1日2回の測定が勧められています。喘息発作時を除いて、起床時のピークフローが一日で最も低く、午後から(だいたい2時くらい)のピークフローが最も高いとされています。これは自律神経や外界の影響を受けて気管支の状態が絶えず変化している事を意味しています。20%以内の変動なら健常者でも観察されます。この変動がそれ以上に大きい場合は、気管支の反応が敏感になっており、喘息発作の起こりやすい状態になっていると考えられています。
→ 参考ページ:JavaScriptによる日内変動率の計算
グローバルストラテジーより
お子さんにグローバルストラテジーを当てはめようとすると、むずかしいところがあります。参考として読んでください。
■ WHOと米国国立心・肺・血液研究所(National Heart, Lung and Blood Institute)が発表した喘息管理グローバルストラテジー(Global Strategy for Asthma Management and Prevention, GSAMP, グローバルストラテジー)では、喘息さんの自己管理にピークフローメーターの使用を勧めています。その中で患者さんへの分かりやすい説明として、ピークフローメーターの数値を以下の3段階に分けています。
- グリーンゾーン
- 安全: ピークフロー値は、予想値または個人の自己ベストの80~100%。日内変動は20%未満
- 日常生活や睡眠に影響はなく、喘息症状もほとんどない(理想的には全くない)状態です。
- イエローゾーン
- 注意: 喘息症状(夜間症状、活動減弱、咳、喘鳴、運動時または安静時の胸部圧迫感)が認められます。
- ピークフロー値は自己ベストの60~80%
- 日内変動は20~30%
- レッドゾーン
- 喘息警告: 安静時にも喘息の症状があり、日常生活に支障を来す状態。
- ピークフロー値は、予想値または自己ベストの60%未満
2009年11月10日火曜日
ステロイドについて
【表4】各ステロイドの特徴
| 同力化用量 (mg) | 糖質 コルチコイド作用 | 鉱質 コルチコイド 作用 | 蛋白結合 | 血漿 半減期(hr) | 生物学的 半減期(hr) | |
| Short Acting | ||||||
| ヒドロコルチゾン | 25 | 0.8 | 0.8 | ~ | 0.5 | 8~12 |
| Intermediate Acting | ||||||
| メチルプレドニゾロン | 4 | 5 | 0.5 | ~ | >3.5 | 18~36 |
| プレドニゾロン | 5 | 4 | 0.6 | ++ | 2.1~3.5 | 18~36 |
| トリアムシノロン | 4 | 5 | 0 | ++ | 2~5 | 18~36 |
| Long Acting | ||||||
| デキサメサゾン | 0.75 | 20~30 | 0 | ++ | 3~4.5 | 36~54 |
| ベタメサゾン | 0.6 | 20~30 | 0 | ++ | 3~5 | 36~54 |
生理的産生量 コルチゾール 5.7mg/m2/日
American Society of Health-System Pharmacists, Inc. AHFS Drug Information. Bethesda, MD, 200
American Society of Health-System Pharmacists, Inc. AHFS Drug Information. Bethesda, MD, 200
妊婦、授乳中のタミフル
添付文書 ×
CDC ○
日本産婦人科学会 ○
妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対しての
新型インフルエンザ(H1N1)感染に対する対応Q&A (一般の方対象)
平成21年8月4日
社団法人 日本産科婦人科学会
Q1: 妊娠している人は一般の妊娠していない人に比べて新型インフルエンザに感染した場合、症状が重くなるのでしょうか?
A1: 妊婦は肺炎などを合併しやすく、重症化しやすいことが明らかとなりました。
Q2: 妊婦にインフルエンザ様症状(38℃以上の発熱と鼻汁や鼻がつまった症状、のどの痛み、咳)が出た場合、どのようにすればよいでしょうか?
A2: かかりつけ産婦人科医を直接受診することは極力避け、地域の一般病院にあらかじめ電話をして受診します。あらかじめ受診する病院を決めておくと安心です。早期の抗インフルエンザ薬(タミフル、あるいはリレンザ)服用(治療目的)開始は重症化防止に効果ありとされていますので、発熱、のどの痛み、咳等の症状出現後はできるだけ早い受診をお勧めします。また、WHOは新型インフルエンザ感染が疑われる場合には確認検査結果を待たずにできるだけ早期のタミフル服用開始を勧めています。かかりつけ産婦人科医受診を避けるのは「感染すると重症化しやすい妊婦から妊婦への感染を防止するため」です。
Q3: 妊婦の新型インフルエンザ感染が確認された場合の対応はどうしたらいいでしょうか?
A3: 早期の抗インフルエンザ薬(タミフル、あるいはリレンザ)服用(治療目的)をお勧めします。WHOは治療目的にはタミフル服用を勧めています。
Q4: 妊娠した女性が新型インフルエンザ感染者と濃厚接触(ごく近くにいたり、閉ざされた部屋に同席した場合)した場合の対応はどうしたらいいでしょうか?
A4: 抗インフルエンザ薬(タミフル、あるいはリレンザ)服用(予防目的)をお勧めします。
Q5: 抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)はお腹の中の赤ちゃんに大きな異常を引き起こすことはないのでしょうか?
A5: 2007年の米国疾病予防局ガイドラインには「抗インフルエンザ薬を投与された妊婦および出生した赤ちゃんに有害な副作用(有害事象)の報告はない」との記載があります。また、これら薬剤服用による利益は、可能性のある薬剤副作用より大きいと考えられています。
Q6: 抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)の予防投与(インフルエンザ発症前)と治療投与(インフルエンザ発症後)で投与量や投与期間に違いがあるのでしょうか?
A6: 米国疾病予防局の推奨 (http://www.cdc.gov/h1n1flu/recommendations.htm)では以下のようになっていますので、日本でも同様な投与方法が推奨されています。
1. タミフルの場合
予防投与:75mg錠 1日1錠(計75mg)、
治療のための投与:75mg錠 1日2回(計150mg)5日間
なお、日本の2008年Drugs in Japanによれば、治療には上記量を5日間投与、予防には上記量を7日~10日間投与となっています。
2. リレンザの場合
予防投与:10mgを1日1回吸入(計10mg)、
治療のための投与:10mgを1日2回吸入(計20mg)
なお、日本の2008年Drugs in Japanによれば、治療には上記量を5日間吸入、予防には上記量を10日間吸入となっています。
Q7: 予防投与の場合、予防効果はどの程度持続するのでしょうか?
A7: タミフル、リレンザともに2008年Drugs in Japanによれば、これらを連続して服用している期間のみ予防効果ありとされています。
Q8: 予防投与した場合、健康保険は適応されるのでしょうか?
A8: 予防投与は原則として自己負担となりますが、自治体の判断で自己負担分が公費負担となる場合があります。
Q9: 抗ウィルス剤を服用しながら授乳することは可能でしょうか?
A9: 母乳自体による新型インフルエンザ感染の可能性は現在のところ知られていません。季節性インフルエンザでは母乳感染は極めてまれです。授乳期に抗ウィルス薬を使用する場合は、担当の医師と相談の上授乳を続けるかどうか決めてください。なお米国疾病予防局の推奨では抗ウィルス剤を服用しながら、赤ちゃんに授乳することは可能であるとされています。同時に赤ちゃんへの感染リスクを最小限にするため頻繁に手洗いしたりマスクをつけるなどの処置を必要とします。 母児分離を行なうべきとの勧告は今のところなされていません。
添付文書 ×
CDC ○
日本産婦人科学会 ○
妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対しての
新型インフルエンザ(H1N1)感染に対する対応Q&A (一般の方対象)
平成21年8月4日
社団法人 日本産科婦人科学会
Q1: 妊娠している人は一般の妊娠していない人に比べて新型インフルエンザに感染した場合、症状が重くなるのでしょうか?
A1: 妊婦は肺炎などを合併しやすく、重症化しやすいことが明らかとなりました。
Q2: 妊婦にインフルエンザ様症状(38℃以上の発熱と鼻汁や鼻がつまった症状、のどの痛み、咳)が出た場合、どのようにすればよいでしょうか?
A2: かかりつけ産婦人科医を直接受診することは極力避け、地域の一般病院にあらかじめ電話をして受診します。あらかじめ受診する病院を決めておくと安心です。早期の抗インフルエンザ薬(タミフル、あるいはリレンザ)服用(治療目的)開始は重症化防止に効果ありとされていますので、発熱、のどの痛み、咳等の症状出現後はできるだけ早い受診をお勧めします。また、WHOは新型インフルエンザ感染が疑われる場合には確認検査結果を待たずにできるだけ早期のタミフル服用開始を勧めています。かかりつけ産婦人科医受診を避けるのは「感染すると重症化しやすい妊婦から妊婦への感染を防止するため」です。
Q3: 妊婦の新型インフルエンザ感染が確認された場合の対応はどうしたらいいでしょうか?
A3: 早期の抗インフルエンザ薬(タミフル、あるいはリレンザ)服用(治療目的)をお勧めします。WHOは治療目的にはタミフル服用を勧めています。
Q4: 妊娠した女性が新型インフルエンザ感染者と濃厚接触(ごく近くにいたり、閉ざされた部屋に同席した場合)した場合の対応はどうしたらいいでしょうか?
A4: 抗インフルエンザ薬(タミフル、あるいはリレンザ)服用(予防目的)をお勧めします。
Q5: 抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)はお腹の中の赤ちゃんに大きな異常を引き起こすことはないのでしょうか?
A5: 2007年の米国疾病予防局ガイドラインには「抗インフルエンザ薬を投与された妊婦および出生した赤ちゃんに有害な副作用(有害事象)の報告はない」との記載があります。また、これら薬剤服用による利益は、可能性のある薬剤副作用より大きいと考えられています。
Q6: 抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)の予防投与(インフルエンザ発症前)と治療投与(インフルエンザ発症後)で投与量や投与期間に違いがあるのでしょうか?
A6: 米国疾病予防局の推奨 (http://www.cdc.gov/h1n1flu/recommendations.htm)では以下のようになっていますので、日本でも同様な投与方法が推奨されています。
1. タミフルの場合
予防投与:75mg錠 1日1錠(計75mg)、
治療のための投与:75mg錠 1日2回(計150mg)5日間
なお、日本の2008年Drugs in Japanによれば、治療には上記量を5日間投与、予防には上記量を7日~10日間投与となっています。
2. リレンザの場合
予防投与:10mgを1日1回吸入(計10mg)、
治療のための投与:10mgを1日2回吸入(計20mg)
なお、日本の2008年Drugs in Japanによれば、治療には上記量を5日間吸入、予防には上記量を10日間吸入となっています。
Q7: 予防投与の場合、予防効果はどの程度持続するのでしょうか?
A7: タミフル、リレンザともに2008年Drugs in Japanによれば、これらを連続して服用している期間のみ予防効果ありとされています。
Q8: 予防投与した場合、健康保険は適応されるのでしょうか?
A8: 予防投与は原則として自己負担となりますが、自治体の判断で自己負担分が公費負担となる場合があります。
Q9: 抗ウィルス剤を服用しながら授乳することは可能でしょうか?
A9: 母乳自体による新型インフルエンザ感染の可能性は現在のところ知られていません。季節性インフルエンザでは母乳感染は極めてまれです。授乳期に抗ウィルス薬を使用する場合は、担当の医師と相談の上授乳を続けるかどうか決めてください。なお米国疾病予防局の推奨では抗ウィルス剤を服用しながら、赤ちゃんに授乳することは可能であるとされています。同時に赤ちゃんへの感染リスクを最小限にするため頻繁に手洗いしたりマスクをつけるなどの処置を必要とします。 母児分離を行なうべきとの勧告は今のところなされていません。
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