2009年12月4日金曜日


血圧日内変動とは

血圧は一日中同じ値を保っているわけではなく、さまざまな要因で上がったり下がったりしています。この血圧の変化を「血圧日内変動」といいます。
24時間自由行動下血圧測定(ABPM)が可能になって、この血圧日内変動に一定のリズムがあることが分かっていますが、このリズムの乱れと、合併症や臓器障害には深い関係があることが注目されています。

血圧日内変動のリズム

一般的に、血圧は睡眠中にはもっとも低く、起床前から起床後に上がります。そして、夕方から夜にかけて下がるという一定のリズムを刻んでいます。
この血圧日内変動には、自律神経の働きが大きくかかわっていると考えられています。自律神経には、身体を活動的な状態にする交感神経と、身体を休めるように働く副交感神経の2つの系統がありますが、朝から昼間にかけては交感神経が強くなるため血圧が高くなり、逆に夜や睡眠中は副交感神経が強くなるため血圧が低くなるものと考えられます。
血圧日内変動のリズム
血圧日内変動のリズムの図

夜間の血圧

血圧が正常な方は、通常、昼間の血圧に対して夜間の血圧が10~20%低くなるパターン(ディッパー型)を示します。しかし、なかには血圧日内変動のリズムが狂っていて、夜間に血圧が低くならない方(ノン・ディッパー型)や、夜間に血圧が極端に下がりすぎてしまう方(エクストリーム・ディッパー型)がいることが分かってきました。このうち、ノン・ディッパー型の方では脳血管障害や心肥大などの合併症や臓器障害が起こりやすいことが分かっています。またエクストリーム・ディッパー型の方でも、はっきりとした結論にはなっていないものの、症状を伴わない脳梗塞になりやすいという研究結果もあります。
このように血圧日内変動をみると、合併症の危険性が分かることがありますので、高血圧の治療では家庭血圧の測定や24時間自由行動下血圧測定(ABPM)が勧められます。

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